出会い口説きALLOK

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男でも想像妊娠・原因は潜在的なホモセクシャルだった

想像妊娠は難しい病気だ。本人が理解するまで説明を繰り返すしかない。老婆はなかなか納得しなかった。ホルモンバランスの歪みを解説し、胎内のレントゲン写真を見せても、間違いなく腹の中に子供の感触があると言って譲らない。長期戦を覚悟し始めたある日、彼女が思い出したように切り出してきた。
「そんなら父親に会わせたる。いまから連れてったるわ」
「父親?ご主人は亡くなってますよね?」
いぶかしみつつも外へ出ると、彼女の足は先のキャバクラ街に立つ客引きの前で止まった。ホスト系の甘いマスクにファーのコート。この男が父親?
「ねえ、アンタ、何で家に来てくれんの?何でやの?」
馴れ馴れしい口調に、周囲の客引き仲間が一斉に嫌悪の視線を向ける。どうやら彼女、この界隈では有名人らしい。
「ホレ、あんたの子を作ったんやないの。最初に云うたんはあんたやろ。約束したやないの!」
「うっせえな、知られえよ!もう来んな!」
男が叫ぶと同時に、彼女が腹を抱えて泣き崩れた。
「私の愛はここよ.あんたの愛はどこよぉぉ!早よオチンチン見してよぉ!」
後で聞いた話では、彼女、夫の病気が悪化し始めた5年前から、路上の客引きたちに色目を使い出したらしい。結果、誰も相手にしてくれない現実に耐えきれず、無意識のうちに想像妊娠で気を引く作戦を取ったわけだ。その後、老婆は大久保の家を引き払った。行方は誰も知らない。
料理屋で板前を営むMという男がクリニックを訪ねてきた。
「想像妊娠したみたいなんだよ」
「あなたがですか?」
「うん。腹が痛くて内科に行ったら『精神科かクリニックに行け』って。見てよ」
Tシャツの下から、パンパンに張り出した腹部と、かすかに膨らんだ乳房が現れた。聞けば、定期的につわりを感じしばしば陣痛まで襲ってくるという。完全に想像妊娠だ。アメリカの精神医学年鑑によれば、男の想像妊娠は50万人に1人の割合で発生し、その原因は無意識のストレスによる場合が多い。心当たりはないのか?
「う-ん、なんだろう。仕事も順調だし、わかんないなぁ」ならばと腹部のレントゲン写真を撮影させ、腸内の様子を直に見せてみた。
「膨らんだ部分はガスです。ホルモンバランスが崩れて、腸の中がおかしくなっちゃったんですね」「ふ-ん、なるほどね」本人の納得を得れば後は簡単だ。男性ホルモン剤を処方しつつ経過を見守ると、症状は1週間で終息に向かった。が、治療の終了を言い渡した3日後、男が再び突き出た腹を抱えて診察室に姿を見せ言う。
「先生、またっすよ。どうすりやいいんすか?」
頭では妄想とわかっているのに、勝手に腹が膨らむのだという。どうやら、ストレスの元を絶つまで問題は解決しないらしい。潜在意識の調査には催眠誘導が一番。レンドルミン(軽度の睡眠導入剤)を使ったカウンセリングを繰り返したところ、2カ月で謎が解けた。実は、彼は潜在的ホモセクシャルだった。今までも、なぜか同僚たちに惹きつけられてしまう自分を意識してはいたが、ある日、新入りの板前に激しい性欲を抱いたことに驚き、反射的に記憶を消したらしい。その抑圧が想像妊娠を生んだわけだ。
「同性愛…ねえ。言われてみりやそうかもなぁ」
以後、彼の症状はピタリと消えた。ちなみに、同僚には己の性癖を打ち明けていないそうだ。