出会い口説きALLOK

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適度に擦れている街のナンパ方法

公衆電話からテレクラにかけている女をその場で横取りしてしまう男は、テレクラ創世期からいたとされている。携帯電話が普及した今では、テレクラにかけるとき以外に公衆電話を使う理由など見あたらないわけで、ボックス内にいる1人1人に声をかけて回れば、テレクラ女に遭遇する頻度も高いに違いない。実際、都内にもテレクラ専用と噂される電話ボックスが数多くあり、通りがかりに様子をうかがってみるとそれっぽい子たちがだべっていたりするものだ。僕自身、横取りの経験はないが、そのナンバのカンのよさは容易に想像できる。わざわざテレクラに足を運び、いつ鳴るともしれないコールを待ち、サクラともしれぬ女と会話し、すっぽかしともしれぬ女とアポる。そんな七面倒くさいことをするよりも、彼女らが電話をしている現場を取り押さえたほうが、効率がいいに決まっている。もし、互いが援助交際を目的としているならば、話はもっと早いだろう。
しかし、今やこの横取りはそんなレベルではなくなっているのだそうだ。いや、正確にはそのレベルを越えた街があるのだという。その街の名は、愛知県名古屋市の「金山(カナャマ)」。そこでは、公衆電話の中にいる女の.に直接声をかけるのではなく、外から男が指を突き出すだけで援助額の交渉が成立するという。2本なら2万、3本なら3万。提示された額に納得すれば、女は電話を切って外に出てくる。本来ならその女性がテレクラにかけているかどうかが確認されて初めて値段の交渉が始まるところ、この街では、公衆電話にいる女性は援助目的のテレクラ女であることが大前提とされているのだ。あきれたものだ。何もしゃべらず、単に指を出すだけの男。そしてそれに応じる女。まるで築地の魚市場のようなその交渉方法は、確かに単なる横取りのレベルから
1つ進んだ形態なのかもしれない。さっそく僕は、名古屋・金山に向かった。名古屋という街は中心部こそ賑わっているものの、少し外に向かうだけで街並みは突然イナカ感を露呈する。

中心となる金山総合駅は、JR、名鉄、地下鉄が乗り入れるターミナル駅のため、人の集散は比較的激しい。駅前には大きなバスターミナルもある。が、交通の利便さに反し、遊ぶところがほとんどないため、若者が集いたくなるような雰囲気はなく、自然、活気にも乏しい。僕は、車に乗り込み、グルグル辺りを周りながらポイントとなる公衆電話を案内してもらった。例の交渉は特定の電話ボックスで行われているのではなく、ここ金山のいたるところで見られる現象なのだそうだ。
ポイントはNTT前、市民会館前。いずれも大通りに面しているため、車内からで
も中に人がいるかどうかがわかる。他にも公衆電話はいくつかあり、もちろんそこからテレクラにかける女性もいるはずなのだが、人目の多さを考慮すれば、除外するのが賢明とのことだ。さて、このポイント、初めてこの地を訪れた僕にも、テレクラにかけやすそうな雰囲気はなんとなく伝わってくる。どこも立地上、人目につきにくいのだ。1つ目のNTT前。本来、公衆電話は人の多い場所に設置されて初めてその役割を果たすはずなのに、このボックスは、ただそこにNTTがあるからというだけの理由で置かれているとしか思えないほど、閑散とした場所にある。
2つ目の市民会館前。何かしらイベントでもあれば別なのだろうが、基本的に日中でも人通りは少ない。ここも公共施設の前だからしかたなく設置されたような感じだ。
「それにしてもどうして金山なんでしょうかね」名古屋で一番の繁華街は栄(さかえ)。名古屋駅前も最近浄化が進んだおかげで若者が溢れている。なのに、なぜ件の交
渉はこんな地味な街、金山で行われているのか。地元民でない僕には、そのあたりがどうもピンとこない。まず第一の理由が、確率の違い。栄や名古屋駅は、あくまでもおしゃれをして遊ぶための街。テレクラ女の絶対数は多いかもしれないが、それ以外の女も同じように多いので的が絞れない。第2の理由は、女性の質の違い。見渡せばわかるように金山は女性が何か目的意識を持ってやってくるような街ではない。しかも、ホテトル業者の事務所などが集中している土地柄のせいか、どういうわけかささくれた人間が集う傾向にあるらしい。確かに、金山にあるのはサウナやパチンコ、雀荘、そして少しの風俗店。なんとなくスレた感が漂っている。さらにもっと直接的な理由もある。テレクラの店舗は名古屋駅周辺にも栄にも、そして金山にもあるのだが、客として足を運ぶと、そのすべてに共通して「どういうわけか金山からのコールが目立つ」というのだ。とはいえ、やはりここ金山にも当然のごとく電話は普及しているわけで、公衆電話を使っている人間に遭遇することは滅多にない。僕たち2人も同じ場所を幾度となく回ってみたが、ボックス内にいるのはおじさんおばさんばかりで、若いコはない。そんな中、夜、市民会館前のポイントである、障害者用の大きめの電話ボックスで女2人組を発見。僕たちはボックス横にゆっくり車を付けた。2人は車の存在に気づくこともなく、しゃべり続けている。お世辞にもかわいいとは言えない茶髪のタヌキ顔が会話を担当し、その横からいくぶんマシではあるがこれまた茶髪のキツネ顔が耳を寄せる。2人とも20代前半だろうか。メディアでは、援助交際をしているのはごく普通の女のコだと報じられることがままあるが、実際によく見かけるのはいかにもエンコーやってます的な女、つまりこの2人のようなタイプだ。おそらく彼女らもテレクラに電話しているに違いない。では、さっそく交渉に入ろう。僕は助手席に座ったままの姿勢で彼女らに向かって指を2本立てた。2万円。この不景気には悪くないはずだ。しかし2人は電話に夢中で、なかなかこちらの存在に気づかない。しょうがなく僕はウインドウを開け、彼女らのほうに向けて腕を伸ばし、再び無言のまま2本指を突きだした。ようやくキツネが気づき、タヌキの一肩を叩いてこちらを指さす。振り返ったタヌキは、すぐに電話を切って外に出てきた。「どういう意味ぃ?」どういう意味もクソもない。理解したからこそでてきたんじゃないのか。「だからこれだよ」「ああ、いいよぉ」
あっけないもんだ。まるでプロの売春婦だな。
「指の意味わかったの?っん…まあ」2人の話によると、こういう連中は結構多いらしく、中には指ではなく1万円札を2,3枚ちらつかせる直接的な者もいるのだとか。
「乗っていいの」2万円もらえるなら喜んで、といった様子で後ろのドアを開けようとするタヌキとキツネ。しかし、僕の本来の目的は彼女らを買うことではなく、どこまでこの方法が浸透しているのかを知ること。この1件のみでは判断のしょうがないので、また戻ってくると言い残して走り去ることにした。結局その日は他に誰も見つからず、指での交渉を試す機会はなかった。
翌日、土曜日の夕方。さすがに昨日よりは道行く人も多く、ファーストフード店にも高校生の姿が多く見られる。しかし、肝心の電話ボックスには女性の姿がなく、僕たちは何度も何度も同じ場所をグルグル回り続けることに。ときおり、ケバ目のおばちゃんが中にいるのをチラホラ見かけるが、彼女らはこの近辺を根城にするプロの娼婦たちとのことなので、あえて無視。そんな連中を指交渉で買えたところで意味がない。そんな折、僕たちの周りで不審な行動を取る1人のオヤジの姿が目についた。50才ぐらいで、ポロシャツの上にジャケットを羽織り、胸を張ってツカッヵと歩いているのだが、なぜか何度も何度も僕たちとすれ違うのだ。何をしているんだろうと観察すると、オヤジは僕たちがポイントとしているボックスに加え他の公衆電話もすべてつぶさに見て回り、ときどき中に娼婦のおばちゃんがいるのを見つけると、その横からチラチラと顔を見つめ、しばらく立ち止まっている。
行動が明らかに怪しい。なぜオヤジは電話ボックスばかり見て回るのか。そう、言わずもがな、オヤジもまた、テレクラ女を狙っているのだ。指出し交渉こそしていないが、好みの女が現れたら声かけようと目論んでいるに違いない。また、このオヤジ以外にも各電話ボックス周辺には、何のためにそこにいるのかわからないような男が、手持ち無沙汰でうろうろしている。彼らも同じようにテレクラ女を引っかけようとしているのだと言う。こんな光景、僕は今までに見たことがない。やはりこの街は知る人ぞ知る、テレクラ女多発地帯なのだろうか。ようやく夜の8時ごろ、ポイントの1つであるNTT前ボックスで3人組の女性グループを発見。僕たちは少し離れたところに車を停めた。
茶髪に黒顔の、バカ高校生の象徴のような女が電話をし、背の低い女がその横に、残る1人、白コートを羽織った女はフラフラ歩き回って辺りを見渡している。全員、20代だろうか。僕は昨日と同じように助手席から左手を伸ばし、指を2本突き出した。すると、全方位に目を配っていた白コートが、こちらの存在に気づき、笑いながら同じように2本指を立ててくる。ピース。2本指だからピースサイン。ま、そりゃそうだ。僕は誤解を溶くために、指2本と5本を交互に提示し、金額を2万から2万5千に釣り上げることにした。しかし女は、何やらわけがわからんがね、という様子で仲間の方に歩いていき、肩を叩く。3人が一斉にこちらを向いた。2万5千でどうなんだと、無言で同じ動作を繰り返すと、向かって右の黒顔が、私は3だというサインを送ってきた。ほうほう、3ですか。それはちょっと高いな。君はパスだ。続いて隣のチビを指さすと、チ
ビも同じように3のサイン。なんだよ、この不景気に3万はないだろ。パス。
左端の白コートを指さし、君も3なのかとサインを送ると、返事がない。3じゃダメなら4かよと、4本指を出すと、隣の2人が目を凝らし、そんなに貰えるのかと驚いた表情に。どうして彼女だけ4万なんだよとでも言いたげだ。車を近づけて話をすると2人は指サインの意味をすぐに理解したが、白コートの1人はまったくわからなかったらしい。
「声をかけてくる人はいるけど、こういうのは初めて」
いわゆる普通の横取りナンパはされたことがあるけれど、指交渉には慣れていなかったという。これは彼女らの本拠地が栄で、今日はたまたま金山に来ただけだということとも関係しているのかもしれない。こうなってくるとこの指サインでの交渉に応じるのは金山のテレクラ女すべてではなく、勘のいい女に限られているのだと考えられる。ま、この街で何度も同じような男から交渉され続ければ、その勘も冴えてくるのだろうが。