出会い口説きALLOK

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AV女優には抵抗があったのでヌード撮影会から始めることにした

「お姉さん、どこいくの?」
新宿の駅ビルをぶらぶらしていると、学生風の男性が声をかけてきた。背が高く、キリっとした顔立ち。正直、好みのタイプである。
「急いでる?」
「ちょっと、買い物に…」
「ねえ、Hなことって好き?」
なんだスカウトマンか。じゃあ興味ない…と、そのまま無視しようとは思った。が、タイミングが良すぎた。ちょうど彼氏の浮気が原因で別れたばかり。1人は寂しい。話相手が欲しかった。
「嫌い、なわけないよね」
「うん、たぶん好きな方だと思う」
「じゃあ、話だけでも聞いてよ」
誘われるまま、西口のカラオケボックスに入ると、入れ替わるように別の男が現れた。今度は30代後半のギョーカイ人っぽい風体である。
「うわ、素晴らしい。長年この仕事やってるけど、こんな色っぽい女性は初めてだよ」
ミエミエのお世辞。でも、悪い気はしない。「OLじゃ月20万がせいぜいでしょう。もったいないな、キミならいくらでも稼げるのに。ねえ、ビデオやってみない?」
私がAV女優?ありえない。途端に否定する一方で、やってみたいと思う自分がいた。女としてどれほど価値があるのか。男運のない自分を変えるチャンスになるかもしれない。
高校卒業後、上京して10年。親しい友人もいないし、親がビデオを見る可能性もゼロに近い。いや、(したところで構わない。チョコボール向井や加藤雁さんとHできるなら…。その場で上半身裸の写真を撮り、登録害にサインした。驚いたのは、自分があっさりAV業界に馴染んだことだ。最初こそ人前で痴態をさらすのに、顔から火が出るほどの差恥心を覚えたが、男優も監督もカメラマンも、全員がプロである。
「胸持ち上げて」「もう少し膝曲げようか」なんて冷静に指示される環境では、逆に照れる方が恥ずかしい。それより、体調を整え、撮影時に下着の線など付かぬよう心を配る方が先決だ。ただいきなりAV女優には抵抗があったのでヌード撮影から始めることにした。

当日、指示された品川のシティホテルのロビーに向かうと50代半ばの男性が待っていた。この人が主宰者らしい。背が高く陽気で、さぞや昔はモテただろう。紳士的な態度も好感が持てる。安心したのも束の間。会場のスイートルームでは《オタクな人たち》が待っていた。流行から外れた服装に、おどおどした態度。みな、2台も3台も高級カメラを抱えている。私の周りにはいないタイプ。ちょっと怖い。
「今日のモデルの奈央子さんです。じゃあ、窓際に立って」
主宰者の挨拶で撮影会城始まった。言われるままポーズを取り、1枚1枚脱げば、10人ほどの参加者が、あらゆる角度からレンズを向けてくる。なんか妙な気持ちだ。最初の休憩が入ると、参加者たちがサインをねだってきた。まるでアイドル扱いだ。うれしくなって、指で名前を書き、キスマークまで付けてあげた。