出会い口説きALLOK

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同窓会という異空間の力でエッチしやすいと言う同窓会神話

噂は以前から聞いていた。そんなこともあるのかと想像を巡らしたこともある。しかし残念ながら俺は今まで一度も同窓会とやらに出席した経験がなく、どころか、開催の知らせが届いたことすらない。故郷の滋賀県を離れ、連絡先を知る旧友も数少なくなったせいだろう。惜しいもんだ。表向きは旧交を温める場でありつつ、その実はセックスしやさんせと離し立てられる会合。こんな都合のいいパーティなど、そうそうあるものではないのに。

過去のクラスメイトの中で、誰とやってみたいか?小中高の通算9クラス(小学校のク
ラス替えは2年に1回だった)を振り返れば、俺には3つの顔が思い浮かぶ。まず新しいところで、高1時のA子。隣市から通う彼女は、都会的な顔立ちとふくよか過ぎる胸で、ニキビ面の少年をノックアウトした。クラスキャンプのときの写真は、着衣にもかかわらずマイ・ベスト・オナペットの座にしばらく君臨した記憶がある。
次は中3時のB美。彼女とは部活を卒業した豆の2カ月ほどだけ付き合えたのだが、セックスなど思いも及ばない未熟な俺は、せいぜい映画や花火に誘うしかできず、秋になってあっけなくフラれた。
なぜやっておかなかったんだとほぞを噛んだものだ。そして3人目は、小3.4年時のC子だ。これはもうセックス願望うんぬんではなく、ただ単に好きだっただけである。学年途中から転校してきた彼女はおとなしく目立たぬ存在だったが、その涼やかな顔立ちに俺は魅かれた。まだ思春期も迎えぬガキのこと、当然、告白なんぞしていないし、バレンタインチョコももらっていない。以上3人。皆、今や35才あり、悲しきかな、ほぼ間違いなく誰かの妻だろう。さて、誰を狙うべきか。卒業時のクラスで行われることが一般的な同窓会の性質からして、中3のB美に絞るのが自然かとも思うが、それには大きな問題がある。当時の俺はクラスの中心人物ではなかったのだ。どことなくフテくされ、学校行事なども冷ややかな目で見ていた男が、いきなり集まろうと音頭を取る
のは、あまりに奇妙ではないか。アムウエイの勧誘と勘違いされるのがオチだろう。
高1でもそれは同じだ。活発な連中が多いあのクラスにおいて、俺の位置はあまりに地味だった。となれば残るは小3。ここは、キャラクター的な問題はない。ドッジボールは強かったし、勉強もできた。学級委員にだって選ばれたこともある。まさに中心人物だったと言っていいだろう。率先して開催するならこのクラスしかあるまい。25年ぶりか…。あらためてC子こと白石紀子(仮名)の顔を思い浮かべてみる。あまりに昔のことで、細かな部分までは記憶にない。ただ、間違いなく彼女は俺の心を捉えていたし、たとえ今どんな姿に変わり果てていようと、当時の思い出だけでセックスできる自信はある。淡いノスタルジーに浸りながらも、俺は静かに作戦を練り始めていた。極端な話、電話番号を調べて思いを告げたほうが手っ取り早い気もするが、そいつは賢明ではなかろう。気味悪がられてしまうだけだ。やはり同窓会という異空間の力でもって冷静な判断力を狂わせ、懐かしさが転じて八メを外すパターンに持ち込まねば。当時のクラスメイトであり、その後も唯一、3年おき程度に顔を合わす地元在住の友人、松井に電話をかけた。いきなり東京在住の俺が開催のハガキを送りつけても反応が怖い。地元の人間を副幹事あたりに任命し、「久しぶりにみんな集まろうや」と働きかけてもらうのが、田舎のノリとしては正解だ。
「おう、久しぶりやのう」
「どうしてんの?」
「もう2人目も生まれたで」
しばらく互いの近況を報告しあい、また滋賀に戻ってきたら一緒に飲もうや、と話が
終わりかけたとき、俺はそれとなく当時の友人の近況を知りたがってみた。
「みんな、どうしとるんやろな」
「さあな、俺も連絡取ってないしな」
「久しぶりにみんなに会ってみたいなあ」
事実、そういう気持ちもなくはない。むろん主目的は白石だが。
「クラス会とかやってみいひんか」
「そやなあ。でも集まるかなあ」なにせ25年ぶりのこと、頭の悪いヤツなら記憶にないかもしれぬ。
「大丈夫やって。みんな仲良かったやん」
「女も呼ぶか?」
「そりゃそうやろ」
何を当たり前のことを一言ってるんだい、キミは。
「でもみんな、結婚しとるで」
「年末なら結婚したヤツも実家に戻ってるやろ」
「なるほどなあ」
期日は、女が帰省中で集まりやすい12月28日としよう。場所は地元の居酒屋で十分だ。すべてが出席するとは思えないが、25年ぶりの再会とあらばそこそこの数にはなるのではないか。
「そんじや、ハガキ作って出しといてや」
「ほな、やっとくわ」
身勝手な命令を、松井は快く引き受けてくれた。さあ、白石は出席するのか。こればかりは返信ハガキを待つしかない。もし欠席に○が付いていれば、その時点でこの計画は終了だ。年末はハワイにでも行こう。翌月の阻月、出席状況が知りたく、タマらず松井に確認をかけた。
「誰が来るん?」
松井の口から男の名前が読み上げられる。
「上野、川口、太田…」
おおよそ予期できたメンバーだ。
「女は?」
「川瀬、今村、白石…」
よし、十分だ。よくやった。
男11人、女6人。女の出席率3分の1とは拍子抜けだが、白石の名前があった奇跡に感謝せねば。後は本番当日を待つだけ。それまでにやっておくべきことは…あった。根回しだ。
『同窓生がシッボリ説』は、クラス会経験のない俺でも知るぐらいなのだから、他の連
中もそれなりの思惑を持っているはず。事前に制しておかねば。クラス会前日、俺は松井を始めとする男連中を居酒屋に集めた。大半が独身のためか、酒を飲みながら誰からともなく声が出た。
「なあ、明日、誰狙う?」
やはりか。やっぱ男なら考えるよな。
「誰が来るんやつたつけ?」
「えっと、今村やろ、村地やろ、小川やろ…」
「まあ、そのメンバーなら村地やろな」
1人が言う。なるほど、そこを狙うか。よろしい、ドンドン行ってくれ。
「佐藤は?」
どうしたものか。正直に言っておくか。この同窓会の目的は俺が白石とハメるためのものだと。
「俺は白石やな」
「へえ。じゃあ俺は今村にするわ」
幸い、票が割れた。というよりもあえて旧友と競り合ってもしょうがないとの思いか。
「じゃあ、お互いフォローするってことで」
「そやな」
事前準備はこの程度だろう。当日、会場までの道すがら、今日の作戦を考えた。セックスのためには、ともかく好意を伝える必要がある。内容はどうするか。当時好きだった、あるいは今の君が好きだ。おそらくそのどちらも×だ。前者は懐古趣味に過ぎるし、後者はどこか生々しい。かと一夜の情事に既婚も未婚も関係ないずっと好きだっ
た、では暑過ぎる。正解は「当時好きだったし、今もいいコだと思う」程度だろう。おそらく主婦となり愛されることを長らく忘れてしまった白石は感銘を受けるに違いない。
午後5時。時間ちょうどに居酒屋に到着したとき、すでに出席者のほとんど全員が並んで着席していた。
「お、佐藤う、久しぶりやなあ」
懐かしい連中に目くばせしながら、すかさず白石の顔を探す。いたいた。少し老けてはいるが、面影は当時のままだ。隣の席が空いている。昨日の根回しのおかげか。持つべ
きものは友だ。さりげなく横に座る。
「白石か?久しぶりやな」
「うん、元気そうやね」俺の魂胆など知るわけもなく、白石は向かいに座る旧友や恩師たちと忙しそうに談笑を交わす。ま、顔を覚えていてくれただけでも良しとしよう。
まもなく、順番に1人ずつ立ち上がっての近況報告が行われた。
「今の姓は○○と言います。5才と2才の子供がいます」
女性陣が幸せな現況を語り、その都度、当人狙いの男が複雑な表情でうなずいた。
白石の番が来た。
「お久しぶりです。ちょっと緊張しています」
あらたまったときのしゃくり方は、内気だったあのころのままだ。人はこういう場に来ると、当時のキャラクターに戻るものなのだろうか。
「えっと、今の姓は○○と言います。子供が2人いて…」
やはり既婚か。まあいい。一夜の情事に、既婚か未婚かなど関係ないのだから。1次会でアクションを起こすのは早かろう。俺は席を移動し、しこたま飲みながらも、白石へのチェックを絶やさなかった。午後9時。2次会会場へ向かおうと先頭に立って歩き出
したときだった。振り返ると、白石が1人で離れて立っている。他の女子5人は固まって談笑しているというのに。
「どうしたん?行こうや」
近くに駆け寄り、さりげなく肩に手を回すようにして歩を進める。うつむいていた彼女が、ふとこちらを向いて言う。
「変わってないな」
「そうか?」
「昔から優しかったもんな」
甘ったるいことを書くのは本意ではないが、この後の展開への大きな伏線となる会話なので、赤面しつつも記しておこう。
「転校してきたとき、しゃべってくれたん佐藤君だけやったもん」
「そうやったつけ?」
この俺がそんな優しさを見せていたとは。たぶん、可愛いさと物珍しさとで接近しただけだったんだろうが。
「やっぱそれは好きやったからちやうかな」
照れ隠しに冗談っぽく言ってみる。本日初の軽いジャブ。
「へえ、そうなんや」
そう答えて、白石はまた黙った。
「あれから、ずっとどうしてたん?」
間が持たず、当たり障りのない質問を振ると、彼女は笑いながら答える。
「不幸なことばっかりやったよ」
その意味するところはよくわからなかった。あれから俺が平凡な人生を歩む間に、この子には色々なことが起きたのだろう。今日の白石のおとなしさは昔ながらのものと思っていたが、また別の事情のせいなのかもしれない。
「佐藤!次の店、どこや」
昨日会えずに根回しの及ばなかった連中や女グループに、せっかくのツーショットを目
ざとく見つけられてしまった。
「2人で何してんの。ちゃんと仕切ってや」
まったく、やかましいオバチャンやのう。2次会でもちゃっかり隣の席を確保した俺は、今となっては想像もできぬ《優しさ》が、白石にとっての俺の印象であることを最大限に利用しようとした。わざと話題の中心に据えて
「結婚する前に会っときたかったなあ」とジャブを繰り返す。むろん携帯番号もこっそり聞き出した。2次会に入る前に、彼女は1人タクシーを呼び止めた。幹事である以上、これだけ盛り上がる中を途中で抜けるわけにはいかない。勝負は持ち越しだ。扉が閉まる前に声をかける。
「大晦日の昼とか空いてる?」
「うん」
「じゃあ電話するわ」大晦日の午後遅く旦那と子供のいる主婦がヒマなわけがないのに、雪の降る中を、白石は車で迎えに来てくれた。この一事からも、彼女が複雑な環境に置かれていると推理できる。が、それについては深く尋ねまい。不幸話に同情でもし
ようものなら、これからまさにヤラんとする流れに水を差してしまうからだ。
「どこ行こつか」
「メシでも食うか」
2人は、琵琶湖のほとりに立つホテルのレストランで食事をすることにした。駐車場に車を停め、ロビーへ向かう途中でそっと手を握ると、白石も笑って握り返してくる。かなり脈ありだ。最上階のレストランで「1杯ぐらいいいか」と、運転手の彼女はワインを注文した。心なしか、表情は昨日より明るい。
「すごい不思議やわ、大晦日に佐藤君とこんなとこでご飯食べてるなんて」
湖の対岸に、昔、自転車で駆け回った町が……見えやしないが、見えた気がして、俺もまた感慨を深めた。いったいあのころ、こんな自分を誰が想像できたろう。旧友との
セックスのために同窓会を開くだなんて。まったく汚い大人になったもんだ。食事中、避けようと思っていたのだが、自然な流れで互いの身の上話になってしまった。俺はこの日のことを記事にするかもしれないと告げ、彼女は昨日の他の5人のような幸せいっぱいの生活は送っていないのだと説明した。だからなのだろうか。だから彼女はどこか幸薄く映り、些細すぎる優しさへの記憶を口にしたのだろうか。日常を忘れられるなら、他の男の口説きでも良かったのかもしれないし、逆に言えば、他の誰かを誘ってもこうは展開しなかっただろう。白石狙い、がたまたまま功を奏しただけのことだ。
「ホンマは白石と会いたかっただけやねん。昨日会って、やっぱりいい子やなあと思っ
たわ」
「ホンマに?」
もはや押すしかない。セックスするなら今日だけだ。食後のエレベータ内で肩を抱く。ワイン効果は現れたろうか。
「もう一軒、行こか」
「そうやねえ。でももう遅いと彼女が帰宅の素振りを見せる。思わず俺は3階のボタンを押した。ドアが静かに開くとそこは無人のフロアだった。