出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いやナンパに特化したブログです。

妻を亡くした孤独男を演じ未亡人に出会いを求める悪人

一つのコミュにたどり着いた。
『死別母子・父子でも頑張る』
何らかの理由で夫に先立たれた、子持ちの未亡人(もちろん子持ちの男性も)が登録
しているらしい。興味をそそられ、中を覗いてみれば、20代〜40代まで、200人近い未亡人がいた。途端に、よこしまな考えが浮かんでくる。
(妻と死別した夫を装えば、ナンパできるのでは?)
不謹慎なのは自分でもよくわかっている。死別をした女性の弱みにつけ込むなんて、最低の男のすることだ。しかし、同じ境遇の男女が、強く惹かれ会うのは出会いの基本中の基本。ウソがバレなければいいだけのことじゃないか。
しばし考え、登録女性にこんな爆撃メールを送りまくった。
〈初めまして。私は山川と言います。私も妻と死別しました。よければお話しさせていただけませんか〉
間もなくミホというハンドルネームの女性から返事が届いた。
〈こんにちわ。つらいですよね。よくわかります〉
〈ありがとうございます。失礼かとは思ったんですが、話をするだけでも、気が紛れるかと思いまして〉
〈そうですね。こちらこそ、よろしくお願いします〉 
この後はお互いのメアドを交換して、たわいのないやりとりを。同じ境遇の者同士、
距離はどんどん縮まっていく。2週間後、私は写メすら交換しないまま、自分の意思を伝えた。
〈もしよろしければ、今度お会いしませんか〉
〈そんなことして大丈夫かしら。ちょっと怖いです〉
〈ボクも同じ気持ちです。でも、あんまり気にしすぎなくていいんじゃないですか〉
〈そうかもしれませんね〉
お互い新しい一歩を踏み出した方がいい 
このあたりの田舎ではみなそうするように、二人は車で待ち合わせた。約束の日の昼、スーパーの駐車場に車を止めて車内で待っていると、向こうから1人の女性がやってきた。
「こんにちわ。山川さん?」
驚いた。無印良品あたりにいそうな(わかりにくいか?)素朴な雰囲気の美人なのだ。
「初めまして。じゃあお茶でもしましょうか」
「はい」  近くの喫茶店に入り、コーヒーを頼む。少し世間話をしてから、私はこれまで聞けずにいたことを口にした。
「どうしてあのコミュに登録されたんですか?」
「…私、前のダンナのことが大好きだったんですよ」
彼女のご主人は、建築関係の仕事をしていて、かなりの激務だったらしい。それが元で過労死してしまったとか。
「でも、前を向いて生きなきゃと思って、それでミクシィをやってみようかなって」
前向きになることとミクシィがどうつながるのかよくわからなかったが、彼女が新たな出会いを求めて登録したのは間違いないように思える。ならばイクしかあるまい。
「このあと何か用事がありますか? よければ、どこか2人きりになれるところに行きませんか?」
「……」
「今のままの生活を続けるより、お互い新しい一歩を踏み出した方がいいと思うんです。まだ若いんだし」
「……」「私の家内も、ミホさんのご主人も決してダメとは言わないと思いますよ」
「……」
どこかテレたような笑顔を浮かべながら、もじもじするミホ。その態度を見て、彼女が落ちたのを確信した。コミュ内のメンバーをあさっていたら、ある女性がこんなコミュにも登録していた。
『配偶者を自死で喪った遺族』
あまりにヘビーな内容だが、こっちも利用してみよう。 
前回同様、同じ立場を装いつつ爆撃メールを送る。と、ほどなく40代だという直子なる女性からコンタクトがあった。
〈初めまして。失礼ですが、奥さまが自殺された理由は何なんでしょう。心中、お察しします〉
もっともらしい作り話くらい書けなくもないが、話題を暗い方向に進めるのは得策とは思えない。やはり〝前向き〞に生きている風を装うべきだろう。
〈はっきりした理由はよくわからないのですが、私が前向きに人生を歩むことが妻の供養になると考えています〉
直子の考えも同じだったのだろう。メアド交換から、なんてことない出来事のやりとり、そしてアポへ至るまでにひと月もかからなかった。現在、私はミホと直子から猛烈なメール攻勢を受けている。再婚の意志を問われているのだ。
ふてぶてしいほどたくましく生存中の妻に浮気がバレないか、不安におののく毎日だ。