出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです

モテたいので女装しレズのふりして女性に接してみた

「いらっしゃいませ〜。…えーと、どなたかのご紹介でいらっしゃいました?」
「いえ、違いますけど」
店員の表情にみるみる戸惑いの色が浮かんでくる。
「あー…、すみません、ウチは女性しか入れないお店なんですよ」
「あのー、わたし性同一性障害なん…」
「すみません! お知り合いの女性とだったら大丈夫なので、ホントすみません!」
言い終わる前に謝られてしまった。完全に男だと断定されている。まぁ正しいんだけど。気を取り直し、別の店に向かおう。お次は入り口のドアが開けっぱなしのショットバー風の店だ。狭い店内は大勢の若い女の子たちで埋め尽くされていた。さて、ノリ子は受け入れてもらえるのか。
「いらっしゃいませ〜、何にしましょうか」
大丈夫みたいだ。男の子っぽい短髪の女性店員さんが普通に注文を聞いてくれた。カウンターがいっぱいなので、ひとまず奥の壁際に立ったまま1人で生ビールを飲み始める。およそ30人前後の客のほとんどが、20代前半の若い女の子で、髪が長くて女の子っぽい雰囲気のフェミ系と、短髪ボーイッシュ系の2パターンがいる。ボーイッシュな方が「タチ」と呼ばれる攻め側で、フェミニンな方が「ネコ」と呼ばれる受け側だろう。俺の希望としてはネコを狙いたいところだ。ようやくカウンター席が空いどが、20代前半の若い女の子で、髪が長くて女の子っぽい雰囲気のフェミ系と、短髪ボーイッシュ系の2パターンがいる。ボーイッシュな方が「タチ」と呼ばれる攻め側で、フェミニンな方が「ネコ」と呼ばれる受け側だろう。俺の希望としてはネコを狙いたいところだ。
 ようやくカウンター席が空いたのですぐに移動する。と、隣に切れ長の目のフェミ系美人ちゃんがやってきて、店員と何やら楽しげに話しだした。アプローチのチャンスだ。
「こんばんは。ここはよく来るんですか?」
「え? はい、たまに」
すぐに顔を背けられてしまった。こちらの顔を確認した瞬間のギョッとした表情がすべてを物語っている。でももう少し食い下がってみよう。
「ここっていい雰囲気ですよね〜、今日はお友達と来たんですか?」
「はい、そうですねー」
こちらをチラっと一瞥し、今度は背中を向けてしまった。こりゃ脈ナシだ。その後、反対隣に座っていたタチとネコのカップル風にもちょっかいを出したが、まったくもって盛り上がらず、ボーイッシュな店員さんも戻ってきてくれない。ものすごーく疎外感を感じるぞ。ビールを飲み終えると同時に店を出た。ノリ子には若い子だらけの店は敷居が高すぎる。もう少し年齢層が高めの店にしよう。再び周辺を散策し、近くにビアン居酒屋なる店を見つけた。覗いてみよう。
「いらっしゃいませ〜」
小料理屋のようなカウンター席に女性客が4人。奥のテーブル席にも女性グループがいる。入店と同時に一斉に視線が。このまま入っちゃっていいのかな。カウンター席に座って酒を頼んだところで、店主が遠慮気味に話しかけてきた。
「あのー…、コチラには何かを見られていらしたんですか?」
「あ、たまたま通りかかったので」
「そうなんですねー。ビアンのお店を探されてたんですか?」
やたらと詮索してくるぞ。やっぱ女装子は珍しいんだろうか。
「あの、実はわたし、性同一性障害なんですけど、恋愛対象が女性なんですよ」
「あ、そうなんですね。ここに来るお客さまでも同じ方いらっしゃいますよ」
なんと。同じ作戦を考えてる男がいるんだろうか。
「あのー、突然、すみません。それって、どういうことですか?」
突然、俺の隣に座っていた若い女子コンビが話しかけてきた。
「すみません、気になっちゃって」
手前の前髪パッツンがマリちゃんで、奧のボーイッシュがサキちゃん。23才の同級生同士で、付き合ってるわけではなく、単なる友人関係らしい。あらためて、俺が女として女が好きなのだという事情を説明してあげた。
「えーと、わたしカラダは男なんですけど、心は女なんです。いわゆるMtoFって言われる感じなんですけど」
「はいはい」
「でも女として女性のことが好きなので、私の中では自分はレズなんですね」
「へ〜なるほど〜。じゃ、ノリ子さんは、レズの子じゃなくて、普通の女性が相手だとダメなんですか?」
ドキリ。普通の女でもぜんぜん構わない、っていうかむしろ大好物なんだけど、そうは言えないよな。
「そうですね、普通の女性だと、私のことをどうしても男として見てしまうので、それは不本意なんです」
「あ〜なるほど」
「やっぱりわたし、自分のことを女として好きになってもらいたいから」
「確かにそれはレズですね〜」
「だから、なかなか相手が見つからなくて大変なんですよね」
これで一応スジは通ったはずだ。
「でもノリ子さん、すごく素敵だし、すぐ見つかると思いますよ」
「うん、私もそう思う。すごいエレガントですよね〜。私もそんな風になりたいなー」
エレガントと言われてビールを吹き出しそうになったが、ひょっとしてキミたち、俺が相手でもOKなの?
「じゃ、もしも私みたいな人に告白されたらどうします?」
「いや、付き合ってる相手がいなければちゃんと考えると思いますよ」
「うん、わたし付き合っちゃうかも。今は彼女いるんでアレですけど。ハハハ」
結局、2人とも仲のいい彼女がいることが判明し、ガックリ肩を落としたところで店を出た。レズ限定のお見合いパーティを見つけたので参加してみることにした。女装子も受け入れてもらえるだろうか。パーティ当日。会場となるイベントスペース入り口で会費の3500円を払い、いつもの女装姿ですんなり中へ。ここのスタッフの目は節穴なのか。場内では、すでに30人以上の女性たちがいくつかの丸テーブルを囲むように座っている。見た目ごく普通の女性が半分で、短髪のいかにもタチっぽい女が半分といった割合だ。もちろん女装したオッサンは俺1人だけだ。番号札を胸につけて、指定された席へ向かう。
「こんにちは。よろしくお願いします」
同テーブルの参加者4人に挨拶して席に着く。皆さんシャイな感じで手元のカードを見ながら黙ったままだ。すぐに女性スタッフによる説明が始まった。会は約2時間半。最初に渡された表に、参加者の名前と年齢、タチかネコかが書か
れているので、それを見ながら各テーブルのメンバーと20分間のフリートークをし、席替えを繰り返していく。フリートークがすべて終了したら、連絡を取りたいと思った相手2人だけにメッセージカードが渡せる仕組みだ。会場内での個人間の連絡先交換は一切禁止で、不正がないよう監視されるようだ。せっかくこんなに大勢の飢えた女がいるというのに、選べるのは2人だけとは厳しいな。
「では皆さん、乾杯してから、自由にトークを初めてくださーい」
「………」
俺が座ったテーブルは、いきなり無言状態になってしまった。この気まずい雰囲気は、ひょっとして俺のせいか?
「じゃー自己紹介でもしましょうか? 私から始めますね」短髪の色白さんの音頭で、簡単な自己紹介が始まった。みなさんレズとはいえ、当たり前ながら真っ当な社会人だ。俺の番がきた。
「ノリ子と申します。普段は男なんですけど、気持ちは女として生きています。よろしくお願いします」4人が「へ〜」とうなずきながら聞いている。納得してくれたみたいだけど、そんなに興味があるようにも感じられない。自己紹介の後は、週末の過ご
し方という当たり障りのないテーマになり、5人が順番に話し終わったところで席替えタイムになってしまった。席替え後のテーブルは、かなりキャラの濃いメンバーが多い印象だった。
「みんなさー、ここ来たのって初めて?」
最初に口を開いた番長・清原似の40代が、終始、場を仕切っていく。彼女はこの会の常連らしいが、1度もメッセージカードをもらったことがないのだと愚痴をこぼしはじめる。「今回も空振りかなー、1回でいいから最後のカードが欲しいんだよねー」清原さん、たくましくてモテると思うんだけどね。番長のグチに、横のアルフィー坂崎似が合いの手を入れる形でトークは進み、俺を含むほかのメンバーにはほとんど発言の機会はなく、20分が終了してしまった。続いての席替えからは、前のテーブルで一緒だったメンバーも混ざりはじめた。そのうちの1人が俺の隣りに座ったアルフィー坂崎だ。彼女は小学校高学年のころから、女の子が好きだと意識するようになり、ノンケの女性に告白してはフラれてを繰り返してきたらしい。
「わたし、男性とお付き合いしたことが1度もないんですよ」まあ、そんな昔からレズならそういうことになるよな。
「じゃ、私はどうです?」
「そうですねー…、素敵だと思いますよ。ハハハ」
と笑う口元はひきつっていた。三度目の席替えのあと、テーブルのみんなに聞いてみた。「過去に男性とお付き合いしたことがある方っています?」そんな子のほうがチンコ付きの女装子に抵抗がないはずとのヨミだ。
「私ありますよ」
若くて背の小さい色白のネコちゃんが答えてくれた。
「高校生のときですけどね」
「今はどうですか?」
「いやー、相手によりますね」
これはチャンスかと思ったが、詳しく聞いたら年下の男の子限定でOKとのこと。
「ワタシみたいなのって、可能性はありますか?」
「あ、でもぜんぜん、女性として見えてますよ」
微妙な言い回しでゴマかされた気もするが、可能性がないわけじゃないのかも。どうかな?「それでは最後の席替えタイムになりました! 皆さん、自由なお席に座ってください!」フリータイムだ。もたもたしてるうちに空席がどんどんなくなっていく。お、あそこのそこそこ可愛い白ギャル風の隣りが空いてるぞ。座ってしまえ。が、腰を降ろした瞬間、反対隣の辻本清美似に話しかけられた。
「すみません、さっきからすごい気になってたんですけど、どういうことなんですか?」
「えーと、実はわたし、戸籍は男なんですけど、その性別に違和感があって…しかも、女として女性のことが好きなんです」
「普通の女の子じゃダメなんですか?」
「そうですね、相手がどうしても私のことを男として見ちゃうので」
何度も答えてきたセリフを口にすると、辻本が同情したように言う。
「なるほどー。やっぱり大変なんですね。お互い頑張りましょうね」
白ギャルと色々話をしたかったのに、辻本からの質問攻めでほとんどの時間を費やしてしまい、パーティは終了。メッセージカードには、俺にわずかながら興味を示してくれた辻本と、正直タイプの白ギャルに、連絡先を書いて提出した。帰り際、俺の元に届いたメッセージカードは1枚もなかった。
翌日、辻元から返信があったので食事に誘ってみたところ、こんなメールが。
『お誘いありがとうございます。でも正直、ノリ子さんを女性としてみれるかというと、正直今はまだ難しいのかもしれません。今まではノンケの女性としか付き合ったことがないので。でも今後は視野を広げていきたいと思っています!』
やっぱレズにとって、女装子は男なんだな。まったく、視野の狭い連中だこと。