出会い口説きALLOK

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お花見で出会い恋に落ちた女の子

東京に桜が咲き始めたころ、2対2のお花見に誘われた。合コンではなく、花見、というところに多少の期待が持てる。ガツガツした場よりもこういう軽い出会いのほうが、男女の仲は進展しやすいような気がするのだ。当日は朝から雨だった。昼間に花見の名所「千鳥が淵」に集合したのだが、ベンチや芝生に座るわけにもいかず、とりあえず4人で散歩することに。
さて、今回の大事件はそのメンバーである。女2人のうち1人がアイドル級の可愛いさなのだ。たとえて言えば乙葉をさらに5割増したような、ほんわか&可愛い系だ。さらにもう一人も、坂口杏里坂口良子の娘)っぽい顔立ちで、ぜんぜん悪くない。なんて幸せな花見散歩だろう。2人は学生時代からの友人で、共にカレシはいないという。ラッキー極まりない。とりあえずは乙葉を中心に攻めていくとするか。
「ねえねえ。なんかアイドルみたいな顔してるね」
杏里が受ける。
「でしょー。モテまくりなんだよ。このあいだ、宅配の人に連続で手紙もらったんだよね?」
「うん…」
恥ずかしそうに乙葉がうなずく。なんでもつい先日、引っ越したばかりの彼女の部屋に、佐川とヤマトの兄ちゃんが前後して荷物を持ってきたのだが、なんとその2人共が、宅配の後にのこのこ引き返してきて、ラブレターを渡してきたというのだ。これ、並の女にはちょっと起きる出来事ではない。2人の男が仕事そっちのけで、なんならクビを覚悟でアプローチを仕掛けてきたのだから。よっぽどの美貌だということが、こ
のことからもわかるだろう。オレの人生が始めって以来、こんなにハイレベルな女性とお近づきになれたのは初めてのことだ。大事にせねば。散策のあと居酒屋に入り、あらためて二人の素性を聞いた。年齢は30才。共にちゃんとしたOLだ。
 今回の会合を主催してくれた友人はもう既婚者なので、恋愛レースには参加していない。つまりオレが好きな方を選んでいいのだ。もちろん乙葉を選択させてもらおう。客観的には釣り合いが取れていないかもしれないが、こんな子と結婚するために、オレは独身を貫いてきたのだ。今こそが人生のターニングポイントと言っていいだろう。さあ、気合いだ、気合いだ、気合いだ!
人生で最も大事な1時間を、こんな形で省略せざるをえない理由は他でもない。乙葉ちゃんが10分ほどで帰っちゃったからだ。その理由は、
「別の飲み会に呼ばれてるから」
美女である以上、引く手あまたなのは仕方ないにしても、この去り方はどうだろう。まるで、品定めだけのために顔を出して好みじゃなかったからバイバイ、みたいな感じじゃないか。イヤな女だ。というわけでそれからの50分、オレは無口なまま飲み続け、1時間が経過したわけだ。杏里ちゃんが残っているとはいえ、そして彼女もそこそこの容姿だとはいえ、乙葉ショックから立ち直れないオレとしては、どうにもやるせない気分だ。しばらくして会合はお開きとなった。ようやく機嫌が治ったのは、家に帰って杏里ちゃんからメールが来てからだ。
〝今日はごちそうさまでした〞
オレはお礼をしっかりする子に弱いところがある。しつけがちゃんとしている女性に惚れてしまいがちなのだ。思い返せば、居酒屋での杏里ちゃんは、サラダをよそってくれたり、メニューを渡してくれたりと、甲斐甲斐しい部分があった。うん、あの子、いいかも!ただ、乙葉ちゃんをあきらめきれない自分もいるので、ここはひとつ策を練ることに。あの2人は親友同士だから、同時に口説くようなマネはできない。まずは乙葉に当たって砕けてから、杏里に注力するとしよう。できれば砕けたくはないが。
『昨夜、●●ちゃん(本名)の夢を見ました。ビックリしました』
夢に見た作戦が心に突き刺さるとのことだが、さあどうだ!……いくら待っても返事は来なかった。(後に、出会った翌日に送っても気持ち悪いだけと気づいたが時すでに遅し)さあ、こうなれば残るは杏里ちゃんだ。まあいい。言い訳がましくてあれだが、性格的にはこっちのほうが好みなわけだし。
〝この前の花見は雨で残念でしたね。次の日曜、晴れそうなので新宿御苑で花見しませんか?〞この誘いに、彼女が乗ってきた。デート成立だ。
日曜当日。彼女はショートパンツ姿でオレの前に現れた。太ももがまぶしい。デートにこんな格好でやってくるのは気がある証拠だと、昔ホットドッグプレスで読んだ記憶がある。ついに春が来たのか!伊勢丹でカツサンドとマカロンを買って、新宿御苑へ。さすが有料の公園だけあって、ホームレスや変な酔っ払いがおらず、実にさわやかだ。
「吉村さん(杏里ちゃんの名字。まだ下の名前で呼ぶほど親しくない)、一人暮らしやっけ?」
「そうですよ。赤澤さんもですよね?」
「そうそう。モテると言われて目黒に部屋借りたけど、ぜんぜんアカンのよ」
「あはは、ウケますね」
過去にはさっぱりだった自虐ネタにもケタケタ笑ってくれている。長澤まさみとは程遠い子だけど、これくらいが結婚相手としてはいいのかもな。さわやかな青空。うまいカツサンド。白い太もも。3点セットに囲まれた生涯最高の花見は、夕方から彼女に用事があるとのことなので、1時間ほどで終了した。いきなり好意を伝えるのも軽々しいだろうから、今日のところはこれぐらいで解散しておくのがいいのかも。
「最期に一緒に写真、撮ろっか」
「いや、それはいいです。私が撮ってあげますよ」
あっさり提案を蹴られた。なんだなんだ?解散直後、杏里ちゃんからメールが。〝今日はごちそうさまでした〞礼儀正しい! これからもいっぱいご馳走してあげるからね!