出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです。裏モノJAPAN監修の出会いやナンパに特化したブログです。

ねぶた祭りがあろうとなかろうと青森の女性は乱痴気騒ぎ

8月2日、ねぷた祭り初日。昼過ぎに青森に到着した私は、市内をぶらつきながらまず
は駅前で配られたパンフレットに目を通してみた。ねぶた祭りとは、御輿に担がれたねぶた(軍記物語などの登場人物の形をした大型の提灯のようなもの)と、その周りでピョンピョン跳ねるハネトと呼ばれる男女の集団が、何組も連なって市内を練り歩くという内容らしい。所用時間はおよそ3時間。これが都合6日間に渡って繰り広げられる。
いつ無礼識に突入するのかまではさすがにどこを読んでも書かれていないが、練り歩き
ながらというわけにはいかないことを思えば、おそらくや毎夜パレードが終わってからがその時間帯だろう。徐々にムードが高まる中、夕方になって行列がスタートした。交通規制された車道を大きなねぶたが動き出す。観光客にまぎれて歩道をうろちょろ歩き回ってみたところ、さすがに市民全員が隊列に参加しているわけではなく、会社帰りのOLやコギャル風情の集団、若いカップルなど、見る側に回っている者も多いようだ。
宴の時間まで待つのももったいない。とりあえずは1人きりでぶらぶらしている女性に
声をかけて、気分の高揚しているところをいただいてしまうのもよかろうと、私は祭りそつちのけで歩道ばかりを見て歩いた。腕を組むカップル、特設観覧席に座ってはしゃぐ観光客らしき女性グループ、屋台でかき氷を売る浴衣娘。色っぽいコも多く目の保
養にはいい。が、当然と言えば当然なのか1人きりというのがどこにもおらず、途方に暮れてしまう。人混みに操まれるうちに、夜の9時、初日の運行終了のアナウンスが聞こえてきた。観光客はぞろぞろと場を後にし、浴衣姿のハネトたちも連れ添いながら三々五々散ってゆく。さあ、これからだ。彼ら彼女らは、いったいどこで乱れるつもりなのか。私は注意深く観察した。ところがどういうわけか、彼女らの進む方向に統一性はなく、ある者は自転車を2人乗りして市外へ続く夜道へ、ある者はグループで連れだって駅の方へと消えていく。何か事が起こりそうな感じではない。夜ともなると、夕方の喧騒が嘘のように辺りは静まり返り、観光客はおろかハネトの姿もほとんど見えなくなった。商店も軒並み閉店し、路上にいるのはギターを鳴らしてゆずをうたう若者と、自転車旅行中の小汚い学生のみ。
おかしい。今日は年に1度の祭りだというのに、この静まりようはなんだ。ラブホテル
に行列ができているわけでもなければ、かといって屋外でまぐわうような猛者がいるわけでもない。いったいあの若者どもはどこへ行ったのだ。ハメをはずして乱れまくるハネトたち。そんな理想の光景に出会えない私は、夜の駅前通りを行くあてもなく歩き続けた。目的は、カラオケや居酒屋から出てくるであろう女性をナンパすることである。別にナンパだっていいのだ。乱れる、とは要するにナンパにだって簡単に付いてくるとい意味でもあるのだから。ぶつぶつと独り言のようにつぶやく私の目の前に、1人の女の子が現れたのは22時を少し回ったころだった。居酒屋の階段から下りてきた彼女は幼い顔立ち。白のTシャツにミニスカートというラフなファッションからして、ねぶたの参加者ではなさそみだ。かといって観光客のようでもない。こんな小娘がいったいこの時間に何をしているのか。
「ねえねえ、旅行中なんだけど一緒に飲まない?」
声をかけると、キョトンとした表情で彼女は立ち止まった。
「私、飲めんもん」
「でも、今、出てきたじゃない」
「ああ、働いとった」
どうも居酒屋の従業員らしく、仕事が終わったばかりなのだそうだ。
「ねぶたは参加しないの?」
「ああ、ハネてもつまらんし一」つまらん?つまらん?こんな非県民のような発言が許されていいものか。青森の人間がねぶたに対してシラけているなんて、私の思い込みをずいぶん裏切ってくれるではないか。とにかく立ち話もどうかと、そのまま私は彼女の手を取り、港近くに建つ神社の境内へと連れて行った。酒が飲めないならば、別の方法で気を迷わせねばならない。祭りの夜に神社、月もきれい気分を高揚させるには悪くないだろう。養銭箱の前に並んで腰かける2人。早口の津軽弁に手こずりながらもとりとめのない話題に私はついていった。機を見て、彼女の小さな白い手を強く握ってみる。
「何しよる」とは言うものの、強い抵抗はない。
ラッセーラー、ラッセーラーふと、遠くから鈴の音と共に威勢のいいかけ声が聞こえてきた。まだ、騒ぎ足りない連中がいるらしい。
「あ、ハネト」小さな声でつぶやき、音の鳴る方を見やる彼女。やはり青森の子、一緒に跳ねたかったんだろう。こんな時間になっても一向に帰ろうとしないのは、いくらシラけたポーズを取っているとはいえ、市民最大のイベントに参加できなかったことからくる寂しさ故ではなかろうか。ならばこれから盛り上がるのも悪くないんじゃないのかな。と、ここまでは実にいい展開だった。月灯りの下、夜の神社でコトを行うという生涯初の試みはすぐそこまで来ていたのである。しかし……。
「わ(我)は帰る」
「湯え?」
「帰る」
あんまり遅くなると親が心配するからと、こんな時間になってから急にいらぬことを考
え始めた彼女は、いったん言い出すと聞く耳を持たなかった。翌日、午後から外に繰り出してみたが、日中は市民にとって単なる平日の1日でしかないらしく、駅前の通りにも買い物客の姿がまばらに見えるだけ。浮き足立った様子はどこにもない。私は昨晩の出来事を思い起こした。祭り終了後、ハネトたちは本当に真っ直ぐ家に帰ったのだろうか。あれだけ跳ねまわって気分の高揚した人間に、家に戻って風呂に入ってテレビを見て眠りにつくなんて芸当ができるとはとても考えにくい。ひょっとすると、どこかに集まって飲めや歌えや交われやの宴を行っていたのではあるまいか。ただ、仲間でない私にはそれがわからなかっただけだったのでは。観光客としてでは限界がある。そう判断した私は、自らがハネトとなることによって宴への参加を許されるという形を採ることにした。無礼講とは、あくまで誰の内部で許される無礼であることを思えば、賢明な作戦だと言えよう。幸いにも市内いたるところで衣装が貸し出されているため、ハネトには簡単になれる。問題は、どうやって仲間内に入れてもらうかだけだ。祭りとはいえ、さすがに見知らぬ者をいきなり仲間として迎え入れるグループはそうそうないだろう。
そこで私は、日中のうちに一緒に跳ねる女性を探しておくことにした。2人一緒で跳ね
ればグループ内へもすんなり溶け込めるだろうし、最悪でも、そのコとよろしくやっちゃう展開には持ち込める。まずは市内のテレクラに足を運んでみた。日本全国、1人身で寂しい女性を捕まえるには最も手っとり早い手段だ。ところが、行ってみるとすでに満室。今日はそんなにおいしいのかと店員に聞くと、ねぶたの期間は昼間にコールが多く、祭りが始まる夕方からは激減するという。なるほど、傾向を熟知した男どもが押し寄せた結果の満室というわけだ。幸い数十分後に入店できた私の取ったコールは主婦からのもの。一緒に跳ねようと提案すると、跳ねたくはないが会うのは構わないと言ってきた。別に援助目的というわけでもないらしい。過去に経験したことのない早めの展開に戸惑いながらも、主婦の待つ市役所へ向かうと汗をぬぐいながら彼女は待っていた。こんなに簡単なら満室にもなるはずだ。
「一緒に跳ねよう」と誘ってみるとテレクラでうまくいくのもうれしいが、ねぶたとは関係なく会えてしまうのでは主旨と異なってくる。どうせ彼女らは今日に限らず遊んでいるのだろうから。そこで次は路上で声をかけることにした。単なるナンバでは付いてこないような堅物でも、おらが村の祭りへの参加を旅行客に懇願されれば断りにくかろう。さっそく手当たり次第に士屋とかけてみたところ、コンビニで女性誌を立ち読みしていた、白い順子に白のノースリーブというお嬢様スタイルの女性が食いついてきた。
「私、友達にも跳ねようって誘われてるんですよ-」
「あ、そうなの」
「でも、今日、弘前に帰ろうと思って」
親の反対を押し切って青森で一人暮らしをしている彼女はフリーター。今日の夕方、弘前の実家に戻るところなのだという。夕方6時の電車に乗るから、祭りには参加できない。説明を受け、いったんはあきらめかけたのであったが、せっかくのお嬢様を手放すのもなんとなくもったいなく、道すがら2人で世間話を交わすことになった。電車の時間にはまだ早く、彼女も時間を持て余していたようだ。
「ああ、暑いですね」
虚弱気味なのか、先ほどから帽子を目深にかぶったまま、暑い暑いを連発する彼女。この夏は例年に比べてもずいぶん気温が高いらしい。これは何かのアピールかと「クーラーあるから部屋に来る?」と軽く誘ってみたところ、なんと彼女は「それがいい」とあっさり承諾するではないか。なんだこの子、意味わかってんのかな。ビジネスホテルのクーラーに顔を近づけて火照りを抑える彼女は、ふうふう息を発している。
「こっちおいでよ」
いつまでもクーラーの前から離れない彼女をベッドの上に引きずり込み、おもむろに抱
き寄せる。「ここでするの?」
さすが大人、よくわかってらっしやる。しますよしますよ、ここでしますよ。こうなり
や、祭りもクソもないでしょう。狭いシングルベッドでの一戦を終えた後、実際のところハネトと仲良くなるにはどうすればいいのかと訪ねると、「一緒に跳ねれば仲良くなれるよ」との答えが返ってきた。見知らぬ者であっても隣で跳ねるうちに親しくなるというのが彼女の経験則だそうだ。はたしてそんなに簡単なことなのか疑問ではあるが、現地住人の言葉に嘘はないはずだ。

肉欲に飢えた男女の出会いの場

京成線A・都内に住む者にすらピンとこないこの町にはとりたてて特色などない。東京都葛飾区の千葉県寄りに位置し、渋谷や新宿といった賑やかさとはまったく無縁の町。それがAだ。さすがに駅前にはファーストフードやカラオケ店が立地しているが、夕方の6時だというのに若者の姿などほとんど見あたらず、閑散とした雰囲気が漂っている。駅から歩いて数分、『出会いの場』の看板はいとも簡単に見つかった。
受付には気の良さそうなあんちゃんが1人。説明によるとここはレンタルルームのようなもので、中でビデオを見るもよし、カップルでいちゃつくもよし、ということらしい。しかし、それでは「出会いの場」の名にそぐわない。ここが普通のレンタルルームと大きく異なるのは、出会いを求めてやってきた単独の女性客が、男の待つ部屋を訪問する点にある。そこで会話なりなんなりと楽しんでくれというわけだ。信じ難いシステムではあるものの、例の投稿のメインとなっていたのもそこだし、オレたちの求めているのもその部分だ。説明を聞いた後、利用料金1時間1500円を支払うと、店員はプロフィール用紙というものを手渡してきた。趣味、自己紹介などを書いて受付前の伝言板ボードに貼っておき、それを見た女性が好みの男のいる部屋を訪れる仕組みで、逆に女性も来店時に自らのプロフィールを貼っておくという。ボードを見ると、現在、男女それぞれ1人ずつの用紙が貼られている。つまり2人が入店中という意味だ。我々はデタラメに記入しそれぞれ別室へと入った。中はテレクラよりは若干広めのスペースで、置かれているのはソファと机。机の上にはテレビとビデオ、プレステがあり、一応、暇を潰せる環境は整っている。オレはテレビをつけてソファの上にゴロンと横になった。とりあえず女の子が入ってくるまですることはない。取次制テレクラのコールを待っているようなものだ。1時間ほど経ったろうか。このまま誰も来なかったらどうなるんだろうと不安になりだしたそのとき、コンコンとドアをノックする音がした。どうぞ、と返事をすると、入ってきたのは白いセーターに身を包んだ学生風の女。情報どおりの展開に思わず唾を飲み込む。
「座っていいですか」
臆することもなく、女はオレの隣に腰かけた。かわいいとは言い難いが、かといってとことん不細工なわけでもない。年齢は20才前後だろうか。いかにも葛飾の女的なサエなさは拭い去れないとはいえ、ヤラせてくれるとおっしゃるなら迷わずヤッテしまいたくなるタイプだ。千葉の大学に通う名はシオリ。ここにはよく遊びに来るという。まあそれはいいが、彼女は本気でこんなところで出会いなど求めているのだろうか。そもそもいったいどこでこの店の存在を知ったのか。聞くと、以前友人と一緒に悪フザケでテレクラに電話したところ、友人のほうはどういうわけか話が合ってそのまま男とどこかへ消えてしまい、しょうがなく目分もそのときのテレクラ男に会いに行くと、この店の店員だったのだそうだ。そのままエッチすることもなくこの場所に連れてこられたのだが、居心地がいいので今も暇なときに遊びに来てるという。要するにテレクラを通じて知り合って仲良くなり、そのまま職場に出入りするようになったということらしい。どうにも理解し難いパターンである。
本来、狭い個室内で男女2人きりとあらば、何がおっ始まるかは決まっている。シオリだってそれなりの覚悟はしているはずだ。あのFAX投稿では、向こうからホテルに誘ってくれることになっていたが、まあ、それは人それぞれだろうから期待はできない。
やはりこちらからアタックすべきだろう。オレは彼女の大学の話などを聞いてやりつつ、スカートの下からのぞく太股に手を置き、そのまま手のひらをゆっくりと股間の方向へ移動させた。我ながら強引かとも思ったが、シオリの方に特に気にする様子もないので、ここが押し時とばかりに、そのまま強引にソファに寝かせ抱きよせる。それでもさしたる抵抗はなし。おいおい、このままヤつちやっていいのかよ。が、セーターを脱がせにかかると、ようやく彼女は拒み始めた。今日会ったばかりじゃん」
「でももう会えないかもよ」
「こんなところでするの?」
「じゃ、隣のホテル行こうか」
「でも時間ないから」
スルリとかわそうとするシオリ。う-む、しかしここまで来たら引き下がるわけにもいかない。なにせ我が息子はすでにムクムクと頭をもたげ始めているのだ。
「それじゃ口で頼むよ」
オレはズボンを降ろし、彼女の手を息子に誘導した。こうなれば恥も外聞もない。最低限できることはしておかなきゃ損だ。どんなことでもやってみるものである。シオリは片手で息子をしばらく弄んだ後、その小さな口で頬張り始めるではないか。状況的にそうせざるを得ない流れだとはいえ、この展開、あまりにオイシ過ぎる。さらにシオリは、フェラチオするうちに興奮してきたのか、何も命じていないのに自ら下着を降ろし、オレの膝上にまたがってきた。いったいどうなってんだよ。こうしてオレは、シャワーはもちろん、水道すら設置されていない狭い個室内で、ソファをギシギシ響かせながらコトを済ませたのだった。
信じ難い。誰もがそう思うだるう。しかし、夢でも幻でもなく、今オレの目の前で起
きたのだ。ひょっとするとここは、知る人ぞ知る肉欲発散スペースなのだろうか。
あまりにオイシ過ぎるのでもう少し滞在して2人目をゲットしようと考えたオレだが、時間も遅いので又の機会にすることにした。結局オレがいたのは3時間。2時間分の延長料金3000円を合わせて合計4500円の出費だ。ボードを見ると、すでに株山君
のプロフィール用紙がなくなっている。別の女の子と一緒に隣のラブホテルにでも行っちゃったのか。どんな様子かと電話に連絡をすると、どうやら彼の方はうまくいかなかったみたいでもう家に帰ったという。ずいぶん落胆した口調だ。
「オレらハメられたかもよ」
「どういうこと?」
「あのFAX送ってきたヤシさ、あそこの店員なんだよ」
「え?」
彼は言う。あのFAXは店員が自分の店の宣伝のために、一般客を装って投稿という形を取った作りの話に違いないと。
「あのシオリって女にカマかけてみたんだよ。ここの店員さんってイイ人だよねって」
どうやらオレの部屋に来る前にシオリは株山君の部屋にも行っていたらしく、そこで何か不審なものを感じた彼にカマをかけられ、店員の名が尾関であることを吐いたらしい。言われてみれば確かにあのFAX、たまたま紛れ込んだ者が書いた文章にしては、あらゆる点に注意が向けられ過ぎているキライがあった。営業時間や料金体型などまで明記されていたのも、今思えば宣伝臭が漂う。なるほど巧い手だ。
「ふーん、でもオレがヤレちゃったってことはまるっきり嘘でもないんじゃないの」
「え!ヤレたの?」
2人共が失敗したのなら怒りたくなるところだが、オレに関しては、実際にあの投稿と同じ展開が訪れたのである。オレが支払ったのはわずか4500円。その全額が彼女に回されたとしても、それはあまりに安すぎないか。それとも、宣伝費用と考えれば安いものとばかりに、別途に金を渡していたのか。
翌日曜日の午後、オレは再び「A」を訪れた。投稿が作りだろうがなんだろうが、実際に同じようなことが起きたのだから、利用価値はある。それに、もし前回わざとオイシイ思いをさせてくれたのならば、今日もまた仕込みを使ってくるはず。向こうが引っかけてきたなら、こっちはそれを逆手に取ればいいのだ。
今回はボードに男女各1人ずつのプロフィール用紙が貼られていた。1対1ということは、すでにカップリングが成立しているのだろうか。いや、そんなことはどうでもいい。驚くべきは、この2人のメッセージがあまりに直接的な点だ。男は特技の柵に3Pと記し、女は「これだけはやめてほしいこと」として、アナルファックだの中出しだのといった言葉を平気で書いているのだ。やはりここは肉欲に飢えた男女の出会いの場と理解すべきなのか。部屋に入り、テレビをつける。今現在、店内にはオレを含めて3人。男2女1だから、もう1人女が入ってくるか、または別室にいるアナルファック嫌いの女がこちらに移ってくるのを期待するしかない。ところが、のんびりと構えていたところ誰も入ってくる気配がない。いくら鳴らないテレクラでもここまで暇ではないだろう。3時間もの間待ち続けたのに、ついにドアは1度もノックされることがなかった。ボードに貼られたプロフィール用紙も今ではオレの1枚が残されるのみ。
「誰も来ないね」
帰り際、店員にグチると、彼は昨日は結構来てたんですけどねえと言いながら、数枚のポラロイド写真を取りだした。
「ほら、この.とか。あと友だちとか」
見ると、そこにはパンツ丸だしでお尻を突き出している可愛らしい女性の姿が。今となっては少々のことでは驚かなくなったオレでも、なぜこんな写真を平気で撮らせるような子が店にやってくるのか、さっぱりわけがわからない。
翌水曜日の夕方。三たび、出会いの場。すでにボードには女性のプロフィール用紙が2人分貼られている。ジュンコという25才の女と、もう1人はあのシオリだ。それぞれ個室内で暇をつぶしているらしい。今日は男がオレー人のみということもあり、個室内に入って上着を脱ぐとすぐにノックの音がした。缶ジュース片手に入ってきたのはシオリではなく、もう1人の女ジュンコ。膝上5センチほどのスカートからのぞく脚は結構きれいではある。が、きれいなのはそこだけで、顔は煮ても焼いても食えないほどの不細工だ。隣に腰掛けた彼女は自分から積極的に語りかけようとはせず、オレの話にあいづちを打ち続ける。ここに来た理由というのも、いまいちわかりづらい。
千葉県・松戸(Aの近く)に番号教えますと書かれた小さいシールがペタペタと貼られていて、どういうことなのかわからないまま電話をすると、ある電話番号を教えられ、その番号にかけたらこの店につながったという。この女、ちょっと頭が弱いのか、答が今ひとつ要領を得ない。シールの説明もよくわからないし、教えられるまま電話をかけるという行動自体も意味不明。第一、そんなの理由になってないじゃないか。「こんなトコに男と2人きりで怖くないの?」「別に・・・」
「エッチなこととかされても?」
「お金くれるなら」
「何?援助ってこと」
こういうのを身のほど知らずというのだろう。渋い顔をしていると、さすがにこちらの気持ちを察したのか彼女は黙って部屋を出て行った。
ジュンコと入れ替わり、陽気な挨拶と共にシオリが入ってきた。この女また1発やりたいのか。ところが抱き寄せると、どういうわけか抵抗を見せる。
「私、高いのよ」
何かと思えば、2万円もらえるなら寝てもいいなどとほざく。
「前はヤラせてくれたじゃん」
「あれは強引に迫られたから…」
女というのはわからないものである。結局、ヤラせるヤうせないの押し問答の末、折れることになったのはオレの方。やっぱりシオリもただのエンコー女だったのだ。数時間ねばっても他に誰も来ないので、オレはすごすごと店を後にした。

母子家庭と父子家庭・子連れ同士のステップファミリー再婚は地獄だった

我が国の離婚件数、実に毎日800組以上が結婚生活に終わりを告げている計算だが、一方でそのうち約160組分もの男女が再婚を果たしているという(厚生労働省の人口動態調査より)
最近の傾向としては、男女一個人の再婚ではなく、子連れ同士のステップファミリーなる形態が流行りで、専門のカウンセリング団体や見合い相談所がかなり繁盛しているようだ。
母子家庭と父子家庭が新たに家族を、これを単純に微笑ましい現象と見るのは早計だ。一度に大勢の他人同士が、共同生活を始めてトラブらないワケがない。ましてや、そこに思春期の少年少女がいれば尚更…。ここに一通の手紙がある。昨年、ステップファミリーの再婚を果たした人物だ。
『私は安藤達郎(仮名)と申しまして、昨年、再婚したばかりのです。本来なら幸せな生活を送っているはずなのですが、お恥ずかしい話、娘や息子たちに奴隷のような扱いを受けておりまして・・・(略)この間も腕の骨とアバラを折られました』
先を読み進めるに従い、浮き彫りになる驚樗の再婚生活。ごく平凡な家庭を夢見た中年男性に待っていたのは、まさに地獄だった。

離婚経験者同士の仲を取り持つパーティーに行ってみた安藤達郎。

女性参加者の大半が子連れですから、それも仕方のないことなのかもしれません。私にはそこに女性としての魅力を見いだすことができませんでした。会が始まって1時間、1人の女性が遅れて会場に姿を現しました。東ちづる似の美人です。男の視線が集中するなか、思わず私は彼女に近づきました。普段、奥手な自分にしては驚くほど積極的な行動でした。
「あの、ジュース飲みますか?」
「ええ、すいません。急いで来たから喉が渇いちゃって」
「実は私、こういうパーティ、初めてでしてね。さっきから1人でボケッとしとったんですわ」
「私も初めてなんですよ〜親戚のオバちゃんがうるさくて」
「ああ、それ、僕も同じです!」
話が弾むのがうれしくて、ビールやワインを相当飲みました。グラスを倒したのも気づかないほどです。すっかり、彼女に心を奪われていたのです。願いは見事に叶いました。パーティの最後、気に入った相手を指名する際、彼女もまた私を指名してくれたのです。夢心地、まさに有頂天。それが悲劇の始まりだったなんて、誰が予想できますか。当時33才の彩子(仮名)と初めて結ばれたのは、3回目の食事の後でした。実は、それまで子供に隠れて飛田新地などでウサを晴らすことはありましたが、素人の女性を抱くなど離婚して初めてのことです。その一夜は、天国でした。これぞ名器と言うんでしようか。吸い付くような感じがたまらなくて、5分と持ちません。気立てはいいし、身体もいい。本気で惚れるまでに時間はかかりませんでした。
「うちら、結婚前提って考えてええんかなあ」
付き合い始めて2カ月、彩子が情事の後のまどろみの中で聞いてきました。結婚。彼女に言われ、恥ずかしながら初めて意識しました。考えてみれば、当然のことでしょう。お互い子供もいるいい大人なのです。このまま、体だけの関係を続けていて、将来があるはずがありません。
「怒らないで聞いてもらいたいんやけど.:」
「なんやねん、もったいぶって。何でも話しいな」
「う、うん。実はウチ、子供3人いてるねん。それで離婚も二度してんねん」
さすがに腰が引けました。妊娠線は少ないし、見た目も若い。それまで、子供1人のバッイチという話を疑ったことはありません。ウソだったのか…。なぜ二度も離婚したのか。少し強く問いただすと、彼女は声を細め言います。
「(別れた)2人とも、酒乱で暴力とか色々あって…」
意気消沈した顔に、それ以上の追及はできませんでした。年頃の子供を抱えた者が一つ屋根の下に住めば自ずと問題が生じることは想像に難くありません。しかも、彩子には3人も子供がいるのです。私の家族と合わせたら7人の大所帯になります。果たして、皆が仲良く幸せにやっていけるものでしょうか。結婚するか、この際きっぱり別れるか。葛藤していたある日、インターネットで「ステップファミリー」なることばを知りました。ステップファミリー子連れ同士の再婚のことです。やはり、子連れの男女が新たに所帯を持つと、問題が生じやすいのでしょう。支援サイトが多数存在し、そこでは連日、BBSで活発な意見交換が行われていました。ならば、一度専門家の意見に耳を傾けてみようか。夏のある日、私は彩子を連れ、ある女性カウンセラーの元へ足を運びました。再婚問題に詳しいとの触れ込みでした。平日の昼間だというのに、事務所はカップルだらけ。一様に沈んだ顔をしています。やはり、みな再婚に踏み切れないのでしょう。そんな姿を見るにつけ、私はわけもわからず腹がたってきました。そこまで将来を悲観的に考えてどうする?恐れていたら何も始められないではないか。その怒りは自分に向けたものでもありました。彩子を愛する気持ちに迷いはありません。ならば、まずは子供たちに話すのが先決。カウンセラーのアドバイスも似たようなものでした。彩子の一家構成は、少しばかり変わっておりました。
長男の伸二と長女の杏奈が二卵性双生児の17才で、離れた弟・康介は10才の小学生。これに対し、我が家の浩史が16才で久美が15才です。思春期だらけの子供を一堂に介して、うまく場が持つだろうか。私の不安は嬉しいカタチで裏切られました。
カウンセリングから数日後。日本料理屋で子供たちを対面させたところ、鍋をギャーギャーワイワィ、仲よくつついているのです。連れ子の伸二に杏奈、康介は行儀よく、我が家の浩史と久美が恥ずかしいほどでした。食事会の後、真っ先に息子の浩史に相談しました。
「あんなあ。あの人が新しいお母さんになってもええか?」
「お父ちゃんがそう言うんやったら、気にせんで結婚せえよ。ええ人そうやしな」
「そうか。ありがとう」
「何、恥ずかしいこと言うてんねん。照れるやんか」
久美にもOKをもらい彩子に伝えると、彼女も子供から快諾を得たとのこと。目出たし!私と彩子は晴れて入籍しました。1カ月後、我が家で新しい家族生活がスタートしました。その際、私は3つの事柄を家族に約束させました。
◎おはよう・おやすみの挨拶をキチンとする
◎家族と一緒に夕食を食べる
◎自分の部屋は自分で掃除する
みな、他愛のないものです。が、だからこそ、守ってほしかったのです。なんせ、私たちは家族なのですから。この規則が子供たちを窮屈にさせたのか、今となってはわかりません。暮らし始めて3週間で最初の綻びがやってきました。
「伸二、杏奈、おはよう!」
返事がないのです。最初は笑いながら返してくれたのに、ぶつきなぼうな顔で私の前を素通りしていきます。それでも、頭ごなしに叱るつもりはありません。年頃の子供、私もそれなりに気は遣っていました。そのうち、杏奈の帰りがだんだん遅くなってきました。高校では部活もやってないのに、戻りがいつも11時。父親として

「杏奈、今何時やと思ってるんや!こんな遅くまでどこをほつつき歩いてんねん!」
「・・・・」
実の子に言うつもりで、本気で説教しても、ことばは返ってきません。逆に優しく諭してみても、態度は同じ。さすがに堪えました。そして、ある夜、決定的なことが起きました。その日もまた、杏奈は深夜12時近くに帰宅しました。毎晩毎晩、どこで夜遊びしてるのか。不良たちとでも付き合っているのか。出迎えた私を当然のように無視して自分の部屋に戻ろうとする、杏奈を呼び止め、私は言いました。
「杏奈、おまえ、親の言うこと聞く気あんのんか。いいかげんにしろや!」いつになく大きな声を上げた私に、杏奈がボソつと口を開きました。
「生理的に無理。死んで…」
死んで、信じられない言葉に、思わずキレ、私は娘の頬を張りました。そんな侮蔑的なことばが許されるわけがない。その瞬間でした。背中に強烈な痛みが走り、目の前が真っ暗になったのです。気がついたら、私はベッドの上でした。彩子が心配そうな顔でつぶやきかけてきます。
「達郎さん、ゴメンなぁ。伸二、極真空手やってんねん」
そこで初めて、背中の鈍痛の理由が納得できました。どうやら、妹が張り手されている姿を見た伸二が、私に掌底を叩き込んだらしいのです。そこからは地獄でした。

汁男優という生き方

三度のメシよりもAVが大好きなオレの日課は、仕事帰りに必ずコンビニに立ち寄り、AV情報誌に目を通すことだ。そして、そこでチェックした作品をレンタル屋で借りてみるたび、女優と楽しげに絡む男優に対して羨望と嫉妬の念に駆られながら、借りては観て抜きまた借りては観て抜くというサイクルを繰り返している。ほとんどのオトコがオレと同じことをしているに違いない。しかし、オレには他のオトコと一つだけ違うことがあった。それは「いつか自分も必ずAV男優になってやる!」という強い信念を持っていたことだ。
いつものように仕事帰りにコンビニヘ足を運び、AV情報誌で新作をチェックしていたとき、実に興味深い広告を発見した。
「素人AV汁出し男優募集」
これだっ!日頃の熱い思いがようやくここに来て叶えられるのだ。オレはすぐさま雑誌を購入、家に飛んで帰った。内容は予想どおりで、AV女優にぶつかける「汁出し男優」を素人から一般公募するというものだった。女優との絡みはないが、その顔面に思いっきり「汁」をぶつかけられるなら十分だ。さっそく募集要項を見ると、写真貼付履歴書と自己PR文を添付して事務所まで郵送せよとのこと。書類選考の結果、合格者に連絡をくれるらしい。オレはすぐさま自宅近くのコンビニで履歴書用紙を購入、スピード写真で撮影を完了すると、シコシコと履歴書を書き始めた。自己PRにはかなり時間をかけ、インターネットで知り合った仲間たちと忘年会や新年会のノリでAVを撮った経験やAVに対する思い入れ、自分の「持ちモノ」に対するコメントなどを詳細に記述。特に自分の「持ちモノ」と「指使い」で過去に何人もの風俗ギャルをイカせたことや、モノの「固さ」「長さ」「太さ」「反り具合」を風俗ギャルに絶賛されたことについてはことのほか深くその内容を明記した。果たして、オレのこの熱い想いは伝わるだろうか。必要書類を速達にて投函、不安と期待のまま1カ月が過ぎ、やはりダメだったかとあきらめかけていたころ、オレの携帯に見慣れない番号から電話がかかってきた。誰だろう。恐る恐る着信ボタンを押すと、若い男の声が聞こえてきた。
「もしもし、ワープエンタテイメントの××です。今回は素人男優のご応募ありがとうございます。さっそくですが、明日AVに出演していただけませんか」
「エッ?なんですか?」
一瞬、何のことかわからない。
「AVにぜひ出てもらいたいんです」
「え、はい。あ、はいはい」
うれしくて気が動転しそうだった。オレが出演依頼を快諾したのは言つまでもない。
翌日、午後2時より少し前に、オレは新宿の某スタジオに到着した。すでに何人かの男
が待機している。どうやら、オレと同じ「汁出し男優」に選ばれた連中のようだ。予想に反し、みなごくフッーの男で安心したものの、話してみれば、中にはすでに数社のメーカーの作品に出演しているヤツもいる。う-ん、初体験のオレにうまくこなせるだろうか。だんだん不安になってくる。
「出番ですので、全員シャワーを浴びてください」
待つこと1時間、ようやく監督から声がかかった。いよいよだ。いよいよ、オレの汁出し男優としての初仕事が始まるのだ。素人ながら、現場のピリピリした雰囲気がモロに伝わってくるのだ。これは仕事なのだ。そしてオレは男優なのだ。責任を持ってやり遂げなければ、という思いが一気に体を支配していく。監督から汁男優たちに台本が渡される。AVにも台本があるのか。ちょっと驚きである。
が、本当に驚いたのはオレにも台詞があったことだ。初めてのAV出演で、しかも台詞付き。うれしいと思う一方で、ますます緊張が増幅されていく。
「先生がそんな格好でいるからオレたち授業に集中できないんじゃないか!」
自分に与えられた台詞を何度も声に出してみる。他の汁出し男優たちにもそれぞれ台詞が与えられ、みんな必死で覚えている。そして、NGを何回か出しながらリハーサル。まるで、テレビ番組のNG特集をこの場で体験しているようだ。

全てが完了したのは夜の11時。ここで、監督から「ギャラ出しますので領収書を持ってこちらに並んでください」と指示が出された。ギャラ?そんなものが支払われるなんて話は聞いていないゾ。が、周りの連中を見れば、手慣れた様子で持参して来たらしい領収書にすらすら名前、住所、印鑑を押しギャラをもらっている。そうか、そうだよな。男優として仕事したんだもんな。ギャラが出て当然だよな。それにしても、なんておいしいんだ。女優にしゃぶってもらって、ギャラも出る。こりや言っことないな。しかし…。

恋人紹介業の客に金を払わせるための実に巧妙な仕掛け

出逢い応援します
「一般男女出会いセンタ‐渋谷035485-××××」
これが男女紹介業者の宣伝であることは明らかだろう。普通に考えれば、恋人を探している男女を繋げてくれる場、という感じか。
しかし、媒体が記事を見つけた夕刊紙の三行広告柵といえば、ホテトルを始めとした裏フーゾク業者がひしめく場。金銭の介在を抜きにした健全な出会いを提供してくれるとはとても考えにくい。とりあえずあった番号に電話をかけてみると、こんなテープが聞こえてきた。
「パートナーセンターM(店名のイニシアル)です。Mは初の一般の男女を即ご紹介する日本唯一のシステムで、今年で満9年を迎える実績があります。デートクラブテレクラではありませんので、初心者の方でも安心して即日にご利用することができます。それではシステムを簡単に説明します…」
内容は、やっぱり平凡な恋人紹介業…であれば、わざわざこの本で取り上げることもあるまい。まずおかしいのは、「即日紹介」をウリにしている点。この手の業者で即日をうたうのは異例であり、そういう意味では「日本初」なのかもしれないが、とても現実的とは思えない。サクラでも雇わない限りできない離れワザだ。が、ここはテープを聞けばわかるとおり、「一般男女」を強く主張している。ならばどんな女性会員を用意しているのか。さらに、自動テープの後半に流れてきたシステム説明がどうも肺に落ちない。おおまかな手順を記してみよう。
①プロフィール、年齢、身長、血液型を伝える。ただし、電話番号等は聞かれない。
②希望する女性の年齢、身長、体重、血液型を伝える。
③Mが持っているデータからこちらの希望に合う女性をコンピュータで検索。
出てきた女性と、Mを介して約3分間電話でしゃべる。
⑤女性とMへ来店するアポを取る。
⑥男性、女性ともにMへ来店し、紹介。
⑦目由にデートを楽しむ。
料金は、入会金が8千円、紹介料7千円。さらに、紹介のコースが3種類に分かれていて、割り切りコース、マジメな男女交際コース、結婚コースの中から選ぶことになっているらしい。いかがなものだろう。よくいえばユニーク、悪くいえば相当疑わしい要素に満ち満ちている。確かに、①や②はどの男女紹介業でも当たり前のように用意された項目だ。結果、③に至るのも不自然じゃない。問題は次の④。その場で女性と電話で会話できるという。コンピュータが選び出した相手と別に話ができるということ自体は、単純に考えるかぎり親切なシステムとも取れる。どうせアポを取るのなら、トークのノリが合う女性にしたいのは誰しも同じであろう。しかし、女性側だって仕事で遅くなったり、他に予定が入っていたりして、その日のうちに連絡がつかないこともあるはず。これを含めた上で「即日紹介」と言い切る自信はどこにあるのか。
また、割り切り(要するに援助)、マジメな交際、結婚という選択肢も、かなり大胆な分け方である。援助や恋人はまだわかるにしても、結婚だぜ、結婚。売春を仲介してるような業者に、一生のパートナーなんかお願いできるかっての。自動案内テープの最後に「受付のお電話番号は090の…」と携帯の番号がアナウンスされていたのので、そちらにかけてみることにした。「モシモシィー?」と出たのは、テープの自動音声と同じカン高い声の男だ。
「あの、入会したいんですけど。今日紹介してもらえるんですか、ホントに」
「ええ、大丈夫です。何ご覧になってかけました?」
「Nっていう夕刊紙…」
「ああそうですか。ちょっと今ね立て込んでるんで、5分後にまた電話もらえますかあ」
どことなく落ちつきがなく、一本調子の個人的にかなり苦手なタイプだ。5分後、言われるままに再度ダイヤル。と、相手は悪ぴれる様子も見せず、先ほどとまったく同じことを言う。その5分後はコール音が鳴るばかりで、電話にすら出ない。いったいどうなってるんだ。俺の経験から言わせてもらえば、こうやってマトモには取り合わず、先延ばしにしながら客側の本気度を確かめるのは、ウサン臭い業者がよく使う手に他ならない。が、この男の場合、聞く耳持たずというか、こちらが少しでも口を挟もうとすると「お願いします」と一方的に電話を切ってくる。こっちの方が本気度を確かめたくなってしまうくらいである。何度かりダイヤルし、やっとつながったのはそれから10分後。と、今度は「こちらからかけ直すので、携帯の電話番号を教えてくれ」という。テープでは、電話番号はいっさい聞かれないと言ってたハズだが。
「おかしいですね。こっちの番号は教えてなくてもいいと思いますけど」
「じ、じゃ、もういいです。お断りしますよっ…ガチャ」
オレはア然としてしまった。客をなんだと思っているのだろう。場合によっては、こうしたツレない応対にかえって信頼感を覚えることもあるが、まさか「もういい」とまで言われようとは。よし、こうなったら意地でも入会してやろうじゃないか。1時間後、再びMへ電話を入れると、今度は機嫌が戻ったのか、男はマトモに応対をしてくれた。とりあえず渋谷駅の近くまで来てくれとのこと。急いで山の手線に乗り込み、駅前のファッションビル「109」の前から電話をかけてみる。
「ああ、さっきの方ね。希望するコースはどれでしょ瑳込オレは、マジメな交際コースを選択。というのも、割り切りコースだと、単なる援助希望のホテトル嬢を紹介されるのがオチだと思ったからだ。どんな女が出てくるのか見物ではあるが、援助金ナシでヤレれぱ十分のオレにとってはあまりに荷が重すぎる。とはいえ、どのコースを選んでも、同じ女が出てきて「援助してネ」なんてオチがつくことも十分ありえる。何の属性もないこのコース分けに翻弄されるのもバカバカしい。
「それじゃ、こちらの質問に答えてもらえますか」
男が尋ねてきたのは、こちらの年齢、出身地、住んでいるところ(区名、町名など)、身長、体重、血液型。オレは背格好以外、すべてデタラメで答えた。
「そしたらね、希望する女性のタイプをお聞きします」
今度は、希望する女の年齢、身長、体重(ヤセ型かポッチャリ型か)、住んでいる区域の質問。
「希望の髪型は?」
「長い方…ですね」
「色白と焼けてるのどっち」
「…色白」
ずいぶん細かく聞いてくるもんだが、オレの出した希望は「中野・世田谷・渋谷区周辺に住んでおり、身長低めで髪は長め、ポッチャリ型でA型の色白女性」。当てはまる絶対数を考え、なるべくありがちな答にしたつもりである。その後、男は何かを読み上げるような口調で「女性会員と内密に電話番号を交換したりしないこと」「会うときは必ず事務所で待ち合わせてから」といった規約を長々と語り始める。にしても、つくづく神経に触るしゃべり方だ。男が言うには、女性と3分間電話で話した後、お互いの印象を別々に尋ねるので、もし気に入らなければ何なりと言ってほしいとのこと。逆に、女性が拒否する場合もあるので、承知しろという。もちろん、事務所でのご対面は双方のOKが出てから。面倒くさいがここは従うしかないだろう。
「じゃ、こちらのコンピュータで検索してみますんで、10分ほど経ってまた電話ください」指示どおりに電話をかけ、受付番号を告げる。さあどう出るか。
「女性が見つかりましたよ」
ホントかよ「いいですか、メモのご用意は。まず、中野区にお住まいの野本さん。この方、25才の美容師ね。もう1人、世田谷区の林さん。27才でOLやってる方です」
これを聞く限り、条件は合致し
ているようだ。両者のうち1人を選べと男は聞いてくる。「じゃあ、野本さんの方を」とオレ。とはいえ、これだけの情報だから判断の根拠はない。
「わかりました。じゃ、いったん切って今から言う電話番号へかけてください。そちらの回線の方でお繋ぎしますので」
というわけで、教えられた一般回線の番号へダイヤル。出たのはやっぱり同じ男だった。どうやら、事務所に複数の回線をひいているらしい。そのまま待たされること約2分。
「モシモシィ?野本ですゥ」第一声は、確かに25才でもおかしくはないほどの若い女のそれ。さんざん男の声とトークを聞かされただけに、俄然元気が出てくる。さあここからが正念場。なるべくスマートに口説いて、会う約束をしなくちゃ。と意気込んだとこ
ろが。
「今から会えますかあ」
オレがロクに自分のことを話さないうちに、女はいきなりそう切り出してきた。テレクラでも、こんなことは滅多にない。それともよほど男に飢えているのかね、キミは。
「オレは会えるけど、野本さん、仕事はもう終わったの?」
「終わったよ」
「じゃ、今どこいるの」
「家。中野の方の」
「中野のどの辺?南口の方?」
「それは会ってから話すわよ」
結局、アポを取るのに、わずか3分とかからなかった。ふと時計を見ると、午後8時過ぎ。この時間にもう帰宅しているとは、さぞかしヒマな美容師なんだろう。今ドキの美容室は、8時くらいまでなら余裕でやっているはず。明らかに不目然だ。午後8時オレは渋谷駅から5分ほど歩いた裏通りに立っていた。女とのアポが取れたことを電話で告げると、この場所で待っているように言われたからだ。おそらく事務所のスグ近くと思
われるその界隈は、ちょっとしたオフィス街になっており、人影もまばら。と、向こうからこっちへ近づいてくる男が1人。漫才のセントルイスの背が低い方に似たその男の身長、約140センチ。カン高い声の主はこいつか。男は、スタスタとオレを先導しながら、前方のマンションへ入り、エレベータの4階ボタンを押した。
「夜になると、ヘンな人が多くなっちゃうんでね。だからこうやって慎重になっちゃうの。わかるでしよ?」
エレベータの中で男は言う。何をワケのわからんことを・・・と思ったが、言葉の真意は4階の事務所へ入った瞬間に判明する。
「アナタ、ちょっとその黒いバッグの中、見せてもらえませんか」
「いやね、カセットテープとかカメラとかね、そういうの持ってきて撮ってやろうって人がいちゃ困るからね」
いきなり冷や汗タラタラになるオレ。バックの中には部屋の様子を隠し撮りするためのカメラを忍ばせておいたからだ。結局は、たまたま入っていた週刊誌に挟まっていたのでコトなきを得たが、あきらかにマスコミの潜入取材を警戒しているのがわかる。逆に売り込んでくるのならわかるが、これでは後ろめたさを露呈しているようなもんだ。事務所は、8畳ほどの典型的なワンルームだった。さっそく中央ソファに座らせられる。
が、肝心の野本嬢は見あたらない。待ち合わせの9時までには少々あるから、少し早く来すぎたか。「あの、野本さんはまだですか」
「野本さん?ああ今は青山店の方で受付されてるんですよ。ちょっと彼女の都合で、この後にお会いしてもらうことになっちゃいまして」
なに?そんなことは一言も聞いとらんぞ。彼女とは「9時に渋谷の事務所で」とハッキリ約束したはず。だいいち、なんなんだ、青山店って。男はこのスグ近くにある支店だと言っていたが、それならなぜここへ呼んでもらえないのか。
「野本さん、こっちに呼んでもらえませんかね。私、待ちますよ」
オレがそう言うと、男はムキになりながら「後で必ず会えますから」と繰り返す。まあいい。確かに、恋人を探している男女を初顔合わせさせるのに、こんな狭苦しい部屋じゃあんまりだろう。おまけにさっきから鼻を突くこのニオイ。ネコを飼っているのだろう、独特の動物臭が漂っている。ン?突然、部屋の中を見回したオレは、ある重要なことに気づく。ない。膨大な会員データが詰まっているはずのコンピュータの類が見あたらない。これも青山店にあるってワケか?が、そんなこと以上に怪しいのが、ここMのホントのシステム・そこには、否が応でも客に金を払わせるための実に巧妙な仕掛けが組まれていたのである。
男が改めて話したMのシステムを大まかに説明しよう。少し込み入っているがよく読んでほしい。まず、入会金は男女とも8千円。ここまではいい。あざといのは、紹介に際しての料金の方だ。実は、紹介料の7千円は、あくまで1回の紹介料。紹介を5回分希望すれば、7千円×5の3万5千円が必要になるらしい。しかも、特典として6回分、つまり4万2千円以上の紹介料を払った男女には、カップル成立となり次第、その半額以上の商品券をプレゼントしているという。VISAや大手デパート系のモノなので、金券屋で現金に変えることも可能とのことだ。当然、紹介の回数が多ければ多いほど、カップルになれるチャンスは増える。男が「6回以上の方がおトクだよ」としきりに勧めてきたのも納得がいく。結局、オレは1回分の紹介を希望した。とにかく女に会えれば必ずなんとかなるだろうと踏んでいたのだ。ダダでホテルへ行けるという目算もないではないが、2人きりに持ち込んでしつこく追及すれば、Mの真偽も明らかになるだろう。ところが、ここに最大のミソというより穴があった。実は、一種の還付金ともいえるこの商品券、たとえカップルが成立したとしても、両者のうち「希望していた紹介回数が少ない側」の分しか受け取ることができないのだ。例えば、最初に6人の紹介を希
望していた男と、9人紹介希望の女がカップルになったとしよう。すると、回数の少ない方、つまり男の6回分に応じた枚数の商品券しかもらえないことになる。ちなみに、今から会う野本なる女性の希望はなんと10回分。彼女は恋人欲しさに7万8千円もの金
をこのMに払っているらしい。美容師という身分からすれば、破格中の破格だぜ。仮にオレとウマクいっても、こっちはわずか1回分なのでもらえる商品券はゼロ。
「だから、1人分だとまず間違いなくチェンジされちゃうって言ってるじゃないですか。それでもいいんですか」
「結構です。紹介は1人だけにしてください」
オレはしつこく営業してくる男を振り切り、そう言った。こっちの狙いはさっきと変わらない。力ップルになれる保証もないのに、詔誰が7万8千円も払うかっつーの。

ごく普通のナンパルポ

まず最初に、俺の街頭ナンパ経験についてだが、正直なところほとんどない。酔っ払った勢いで声をかけたことがある程度で、それも友人と一緒のふざけ半分だ。
ナンパなんかしなくてもセックスする相手はいるんだと強がりを言うこともできるが、それは闘わない者のエクスキューズだろう。ヤレる相手は多いほうがいいに決まってるのだから。
木曜日の夜、地元の高田馬場駅周辺でナンバを試みることにした。スタイルのいい学生風が目の前を横切った。しばらく追跡し、人通りが少なくなったところでアクション。
「ちよい、ごめん」「はい」
「俺、今帰るとこなんやけどね」「はい」
無視されない。横に並びながら話を続ける。
「家に帰ったところで、何もすることがないんよね」「はは」
「だから君と一緒に飲んでから帰ろうかと思い立ったのよ」「明日、早いんで」
「俺も早いんや、偶然やね。偶然祝いに30分だけ飲むことにしよか」
「偶然祝いですか」
オモロイやないか俺。笑わせてるやん。人間ヤケクソになれば、これぐらいのことはしゃべれるもんなんだな。
「じゃあ1杯だけなら」
「オッケー。逆にあんまり飲まれると箸る金ないし」
こんなに早く食いついてくるとは。

早稲田の文学部に通う3年でそろそろ就職活動を始めようと考えている時期だという。
「どんな業界狙ってんの?」
「旅行関係とか」
「いいね、楽しそうやん」
以降の会話を逐一書き込ん》
ただ、すべてのやりとりは彼女の就職活動についてに費やされた。当人にとって深刻な話題というのは、時間を忘れさせるものなのか、約束の30分はとっくに過ぎバーに入ってからあれよあれよと1時間も過ぎていた。
さんざんおごらされてパイバイー
定番パターンが頭をよぎり、俺はある行動に出た。
「場所変えて話す?もう一一軒知ってる店あるし」
外に出た瞬間に、自然と手をつないでみる。酔っていたからこそできたのだろう。
「たぶん、どこ受けても受か一るよ。しっかりしてるし」

正直、ナンバされた勢いでセックスをする年齢でもないだろうと、半分あきらめていた。いくら会話が盛り上がったところで、いざとなれば軽くかわす術くらいは持っているだろうと。ところが、これまたマイームに来ることになったのである。きっかけはドラマ「北の国から」だった。「俺この前、この年になってビデオで初めてみたのよ」

「最終回は観た?」「あれ見なきゃダメだよ。泣けるんだから」
「じゃあ借りてウチで一緒に見ようか」「うん」
まさかOKが出るとは思わなかったし、部屋に来てからもしばらくは様子見に徹したのだが、上下巻の2本目をセットするころには、2人とも全裸だった。

AV女優には抵抗があったのでヌード撮影会から始めることにした

「お姉さん、どこいくの?」
新宿の駅ビルをぶらぶらしていると、学生風の男性が声をかけてきた。背が高く、キリっとした顔立ち。正直、好みのタイプである。
「急いでる?」
「ちょっと、買い物に…」
「ねえ、Hなことって好き?」
なんだスカウトマンか。じゃあ興味ない…と、そのまま無視しようとは思った。が、タイミングが良すぎた。ちょうど彼氏の浮気が原因で別れたばかり。1人は寂しい。話相手が欲しかった。
「嫌い、なわけないよね」
「うん、たぶん好きな方だと思う」
「じゃあ、話だけでも聞いてよ」
誘われるまま、西口のカラオケボックスに入ると、入れ替わるように別の男が現れた。今度は30代後半のギョーカイ人っぽい風体である。
「うわ、素晴らしい。長年この仕事やってるけど、こんな色っぽい女性は初めてだよ」
ミエミエのお世辞。でも、悪い気はしない。「OLじゃ月20万がせいぜいでしょう。もったいないな、キミならいくらでも稼げるのに。ねえ、ビデオやってみない?」
私がAV女優?ありえない。途端に否定する一方で、やってみたいと思う自分がいた。女としてどれほど価値があるのか。男運のない自分を変えるチャンスになるかもしれない。
高校卒業後、上京して10年。親しい友人もいないし、親がビデオを見る可能性もゼロに近い。いや、(したところで構わない。チョコボール向井や加藤雁さんとHできるなら…。その場で上半身裸の写真を撮り、登録害にサインした。驚いたのは、自分があっさりAV業界に馴染んだことだ。最初こそ人前で痴態をさらすのに、顔から火が出るほどの差恥心を覚えたが、男優も監督もカメラマンも、全員がプロである。
「胸持ち上げて」「もう少し膝曲げようか」なんて冷静に指示される環境では、逆に照れる方が恥ずかしい。それより、体調を整え、撮影時に下着の線など付かぬよう心を配る方が先決だ。ただいきなりAV女優には抵抗があったのでヌード撮影から始めることにした。

当日、指示された品川のシティホテルのロビーに向かうと50代半ばの男性が待っていた。この人が主宰者らしい。背が高く陽気で、さぞや昔はモテただろう。紳士的な態度も好感が持てる。安心したのも束の間。会場のスイートルームでは《オタクな人たち》が待っていた。流行から外れた服装に、おどおどした態度。みな、2台も3台も高級カメラを抱えている。私の周りにはいないタイプ。ちょっと怖い。
「今日のモデルの奈央子さんです。じゃあ、窓際に立って」
主宰者の挨拶で撮影会城始まった。言われるままポーズを取り、1枚1枚脱げば、10人ほどの参加者が、あらゆる角度からレンズを向けてくる。なんか妙な気持ちだ。最初の休憩が入ると、参加者たちがサインをねだってきた。まるでアイドル扱いだ。うれしくなって、指で名前を書き、キスマークまで付けてあげた。