出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです

島崎遥香、ぱるるにソックリの子を口説く

7年間乗ったクルマを売ることにした。『車があればモテる』とそそのかされて購入したのに、これまで助手席に乗ってくれた女性は2人ほど。いずれも肉体関係には至っていない。この7年で、クルマの維持にかかった費用はあれやこれやで900万円を超える計算だ。900万円かけて成果なしとは…。今月は恵比寿の婚活パーティに出向いた。いつもの新宿では毎度カップルになれないので、おしゃれな街、恵比寿で気分を変えようとしたのだ。このなんてことない気分転換が、功を奏するのだから、男女の出会いは面白い。そう、今回はかなりイイ展開が待っていたのだ!日曜夕方。恵比寿の会場には男女合わせて40人ほどが集っていた。お決まりの回転寿司タイムが始まり……。思わず息を飲んだ。AKBの島崎遥香、通称ぱるるにソックリの子がいる!緊張しつつ話しかける。
「こんにちは」
「はじめまして〜」
年齢は24才。都内で歯科衛生士をしているという。こんな美女が婚活パーティにいるなんて、いったいどういうことなのだ。サクラか?持ち時間の1分が終わり、隣の席へ移動してからも、オレの目はぱるるに釘付けだった。あの美しい横顔、見てるだけでも幸せだ。フリータイムが始まり、真っ先にぱるるの元へ。ここでのんびりしてると、男の行列ができて、結局しゃべれなくなることをオレは知っている。
「どうも。しゃべりましょう」「はい」
「さっそくやけどライン交換しとこっか」
「はい、いいですよ」
なんて素直なんだ。ここを突破できたら、あとはゆっくり攻められるぞ。
「オッケー。登録できたし、またラインします」
「わかりました〜」
上手くいきすぎてる。なんだこれは。変な絵でも買わされるのか?いやいや、ここは恵比寿なだけに、美人が普通に参加していてもおかしくないのだと思おう。パーティ終盤、お気に入り相手の番号を書く時間がきた。ぱるるの隣に陣取る。
「番号書いた?」
「んーー、どうしようかな…」
「迷ってるならオレが書いてあげるよ。貸して」
カードを奪い、勝手にオレの番号を書いてやった。彼女は笑っている。これぐらい強引な男が好きなのかもしれない。当然のように、めでたくカップルになったオレたちだが、ぱるるは友達と一緒に参加していたらしく、今日は帰ると言い出した。その友達とやらは、さきほど会場で誰にも相手にされなかった、イマドキ珍しいほどの典型的ブサイクちゃんだった。あのブーちゃんとぱるるが友達だったなんて!確かこのブーちゃん、フリータイムでは隅っこのほうでずっとツマラなそうな顔をしていたはず。もちろ
んオレも天然記念物を見るような目でスルーしていた。しかしこうなると、今後の関係性のためにも、ブーちゃんをムゲにはできない。いずれ結婚式にも呼ばなきゃいけないだろうし、新居にも招くことになるだろう。今日のところは2人まとめて面倒見るか。
「じゃあ3人でご飯食べよっか」
2人はまごまごしている。ぱるるの心情を察するに、2対1では友達が可哀想ってことなのだろう。そもそもこの展開、ブーちゃんにしてみればオモシロくないに決まってるわけで。ブーちゃんのご機嫌をとるとしよう。
「さっき話したかったのに、どこにいたん?」
「いましたよ、ずっと」
「えー、探してたのに」「嘘だ」
「ほんとほんと。気になってたから。友達の次に」「ウソウソ」まるっきりウソなだけに目が泳いでいるのが自分でもわかる。しかしここは押すしかない。
「ま、3人でご飯でも食べようよ。いいとこ知ってるし。ほらほら、こっちこっち」
ふてくされ顔のブーちゃんと、苦笑いのぱるるを率いて、なんとか駅前の屋台村に連れて行くことに成功した。ウーロン茶とオレンジジュースで乾杯し、あらためて2人の顔を見比べる。同じ人間とは思えないほどだ。格差社会はこんなところにも及んでいるのか。さてこの場では、ぱるるにばかり話しかけるのではなく、2人平等に扱わねばならない。それにより度量が大きいわ、となるのだから。絶世の美女と、絶望的ブサイクを
前に、平等トークを開始する。
「2人の趣味は?」ぱるるが可愛く答える。
「私はドラマ。録画したのいつも見てる」
「へぇ、ドラマが好きなんや。でもオレらのドラマも今始まったばかりやん。しかも脚本がないから目が離せないよね」ぱるるが笑い、ブーちゃんが無表情に。
「私は野球ですかね」
野球好きのブーちゃんは、今夜開幕したプレミア12が気になるようで、何度もスマホをチェックしている。
「野球もいいけど、でもほら、オレらも今プレイボールしたわけやし」あいかわらずブーちゃんはクスリともせず、死んだような目で言う。「そればっかり」
トークパターンを早くも見破られたようだ。
「まぁまぁ、そんなライザップのビフォーみたいな覇気のない顔しないでよ」
渾身のギャグだったが、太っているブーちゃんにとってはシャレになっていなかったようで、恐ろしい目で睨まれた。一方のぱるるだが、こちらはもうオレが何を言ってもケタケタ笑いまくる屈託のなさで、それだけで好感度100倍だ。もし2人の性格が逆だったらと思うとゾッとする。
「今日ってどことどこの試合やってるの? 巨人対ジャイアンツ?」
カワイイ!この無知さ加減!今日のオレは自分でもよく頑張っていると思う。いつもなら半径2メートル以内には近づきたくないような性格の暗いブサイクに、優しく話しかけてご機嫌を伺うなんて。打ち解けてきたところで、そろそろ次のデートの約束でもしたいところだが、いかんせん、今はブーちゃんが目を光らせている。ブーちゃんの心の中を読んでみよう。
(あんたなんかに、このカワイイ友達を渡さないからね。強引にカップルになっただけでしょ。私だって彼氏欲しいんだから。ブヒブヒ)
きっとこんな感じだ。となると、次はダブルデートのほうがいいのかも。
「今度みんなでドライブ行こうか。友達呼ぶし」
本日初めてブーちゃんが食らいついてきた。
「へー、クルマあるんですね」
「そうそう、でももう今月売っちゃうけど」
「えー、どうして売るんですか」
「いや、もういらないかなと…」
そこでぱるるが一言。
「クルマ持ってるといいですよね。海とか連れてってもらえるし」
心が揺らいできた。売るのはやめようか。ぱるると一緒に海岸ドライブだなんて最高じゃないか。「うん、まあ、また新車でも買おっかな」「へぇ〜!」
よーし、もし付き合えるなら本当に買っちゃうかも。1時間ほどの食事を終えて2人を
駅に送り、さきほど聞き出したぱるるのラインにさっそく送信だ。
『どうも今日はありがとう』
1時間ほどで返信が。
『ご馳走様でした(*^_^*)』
たった一文だけの素っ気なさだが、最後の顔文字が頬を赤らめている点に期待が持てる。これって照れの表現じゃないか。さあ、いよいよ脚本のないドラマが始まったぞ!