出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです

ベタな愛情表現に弱い女は真っ赤なバラのナンパにおちるか??

女はベタな愛情表現に弱い。情熱のこもった告白で、ほぼすべての女はオチると言っちゃってもいいだろう。情熱とは何か?
ひとつは、真っ赤なバラの花束だ。
もうひとつは、走って追いかけてくれる人だ。
「いきなり こんなお花受 け取れませ んって」
今月は歌のタイトルのようなこのテーマを、両A面シングルとしてお届けしよう。

日曜日。赤いバラ100本、1万5千円分の花束をいったん段ボールに隠し、オレは駅前の歩行者天国でスタンバイした。タイプの子を見かけたらしばらく尾行し、

「さっきそこで見かけて、めっちゃタイプだったんで買ってきました」
と手渡す作戦だ。
おっ、ショートカットのカワイ子ちゃんだ。レッツゴー。
段ボールからバラ100本を 取り出してあとを追いかける。 すれ違う女たちの視線がハンパ ないな。みなさん、プレゼント してあげられなくってゴメンね。
「すみませーん!」 彼女が振り返った。
「はい?」
「あのですね。さっき向こうでオネーさんを見かけて、すごいタイプだったんで」
「……」
「だから花を…」
「ちょっと急いでるんで」あっけなくフラれた。
次は、ノロノロ歩きの巨乳ちゃんに行こう。あれは明らかにヒマだろう。
「あの、ちょっと!」
「はい?」
「すみません。さっき向こうで見かけて。すごいタイプだったんでこれを急いで買ってきたん
だけど」
「えっ?」
花束をじーっと見てニヤニヤしている。
「いやいや、いきなりこんなお花受け取れませんって」
「ホントに、ぼくの気持ちなんでどうぞ」
バラをぐいっと差し出すと、 彼女は顔を赤くして受け取った。ほい来たぞ!
「もしよかったら、お茶とかしてもらえませんか?」
「いやそれは…」
「ちょっとでいいんで」
「ごめんなさい」
マジか? てことは1万5千円のバラだけ取られてさよなら?大損じゃん!
「そっか、じゃあしかたない。すんなり引き下がるよ。強引に花を渡すのもやめておくね」そうつぶやいて、すかさず奪い返す。ふぅ、危ない危ない。メシでも食おうとマックに入ったところ、カウンター席で女のコが座っていた。けっこうかわいい。バラを持って近づく。
「すみません」
「はぁ…」
「すごいタイプだったんで、どうしても声をかけたくて。急いで花を買ってきたんですけど」
「マジですか? え〜。すごいビックリなんですけど」
目をランランさせている。今日一番の反応かも。
「受け取ってもらえますか」
「あ、はい」
「よかったら、その2人がけの席でしゃべりませんか?」
「いいですよ」よっしゃ!
テーブルに移動して向かい合って座る。彼女は笑いながら口を開いた。
「今買ってきたのはウソでしょ?何かのコンサートとかですか?それでたまたま持ってたみたいな」
「いやいやいや、さっき買ってきたんだって」「これ、何本あるんですか?」
「100本」
しげしげと見つめ、彼女は匂いを嗅いだ。女って花が好きなんだなぁ。
しかしどうやら彼女、会社の休憩時間中で、この後すぐに戻らなければいけないようだ。
「じゃあ仕事が終わったあと、よかったらメシでもどうですか?」
「すみません、早く帰らなくちゃいけないんで。カレシがめんどくさくて」
「じゃあ、連絡先だけでも」
「いや、ダメですよ。私のカレシほんとやばいんで」
「そうなの?」
「男のアドレスとかあったら、何するかわからないですよ。電話いくと思いますよ」
えっ、じゃあこのバラはどうするつもりなのよ。
「うーん、だからどうしようかなと思って。会社に置いとこうと思ってるんですけど」
えー、1万5千円が会社に放置されるの? もう返せって言えないムードだしどうしよう。バラの花束がなくなってしまったので、次の作戦に移る。
名付けて、
『追いかけてくれた人』
女はチャラいナンパは迷惑がるものだが、息を切らしてハァハァしながらこう声をかけるとキュンとすると思われる。
「はぁはぁ、ごめんなさい。さっき見かけて、いま声をかけないともう二度と会えないと思ったから追いかけてきました。はぁはぁ」
どうでしょう。女性読者の方はこのセリフを読んだだけでもキュンキュンしたんじゃないでしょうか。翌週の日曜日。キャリーバッグをゴロゴロ引っ張ってふたたび新宿にやってきた。 重い荷物を持ってたほうが、わざわざ追いかけてくれた感が出るだろう。バッグの中身は2リットルの水ペットボトル6本だ。
美人さんが目の前を通りすぎた。25メートルほど離れたタイミングで、スタートを切る。
ゴロゴロゴロ。普通に重たいじゃん。通行人のみなさん、ちょっとすみません、急いでるん
で通らせてくださいな。
追いついて、肩で大きく息をする。
「はぁはぁ…。すみません」
「……」
「さっき見かけて、すごいタイプだったんで…追い掛けてきたんですけど…はぁはぁ」
と、彼女が自分のカバンをごそごそやり始めた。
「私、なんか落としましたっけ?」
「…そういうのじゃないんですけど」
「じゃあ何か?」
「すごいタイプだったんで。はぁはぁ…。このチャンスを逃したら一生ないと思って。はぁはぁはぁ…」
「すみません。ちょっと急いでるんで」
あれれ。
今度はスーツの女のコを追いかける。ゴロゴロゴロ。
「はぁはぁ…。ちょっとすみません」
膝に手をついて小芝居だ。
「すごいタイプだったんで。は
ぁはぁ…このチャンスを逃したら一生会えないと思って追い掛けてきたんですけど。はぁはぁはぁ…」
「え、はい。ほんとに?」
「ほんとほんと。はぁ疲れた…」
「大丈夫ですか?」
「はぁ、かなり走ったもんで。でも良かった、立ち止まってくれて」
「いやいや、もっと可愛い子いっぱいいるでしょ?」
「いや、ぼくはあなたみたいな人がタイプなんで」
「いやぁ…。どうもありがとうございます」
「向こうの丸井の1階にアイス屋があるでしょ? そこでおごらせてよ?」
「じゃあ少しだけなら」
アイス屋へ。お互い好きなシャーベットを買って、カウンター前で食べる。
今日は彼女、会社の研修帰りらしい。まだ入社1ヵ月なんで覚えることがてんこ盛りでまいってるんだと。
「それはお疲れ様だね。僕でよ
かったらグチ聞かせてよ」
「はははっ。じゃあ、まあ機会があれば」
距離のある言い方だな。今がその機会でしょ!
「でも新人ってのは、やっぱりみんなが誘ってくるでしょ」
「そんなことないですよ」
「そうなの? かわいいし」
「ほんと私なんて」
カレシがいるならそういう答えにはならない。ぐいぐい攻めるぞ。
アイスクリームを食べ終わったところで誘ってみた。
「ねえこのあと良かったら、メシでもどう?」ら長くなるに決まってる
「いや、今日は疲れたんで」
バッグを引っ張って走り回ること十数回。すっかり日が暮れていよいよ疲れてきた。まもなくロックオンしたのは、AKB高橋みなみをデブらせた感じのぽちゃさんだ。
「はぁはぁ、すいません」
「ひゃっ!」
「いや、はぁはぁ、さっきそこ で見かけて、タイプだったんで。どうしても声をかけたくって。はぁはぁ」
「私に?」
「そうそう。どうしても声をかけたくて」
彼女がニヤニヤ笑い出した。
「あ、そうだったんですか。すいません。ヘンな人かと思ったんで」
「ぼくは変じゃないよ?」
「だいぶ前に、このへんでヘンな人に髪を引っ張られたことがあったんで」
「ああ、ぼくじゃないです。ぼくは追いかけてきただけです」
「ですよね。はははっ」
「よかったら、メシでも奢らせてくれませんか?」
「えっ。まあ少しだけならいいですよ」
少しだけのメシなんてないの!食べ始めたら長くなるに決まってるの!
居酒屋に入って、カウンター席に並んで座った。
「かんぱーい」
少しだけとか言って、すんなりアルコールを注文してるし。押しに弱いのかも。彼女は25才のミカちゃん、化粧品会社で働いているそうだ。
「ふーん。だから肌がきれ いなんだ。最初に見かけたときに肌美人と思ったもん。だからあわてて追いかけたんだよ」
「ほんとですか? ぜんぜん荒れてますって」
「ううん。もうこんな人には出会えないと思ったからね。思わず走っちゃったし」
「それほんとですか? だいたい私ちょっとポチャだし」
確かにぽちゃだけど、全然OKのレベルだし構わない。
1時間ほどで居酒屋を出て、あらためて今日の出会いにいかに衝撃を受けたかをアピールした。
「すれ違った瞬間、背筋に電流が走ったんだよ。追いかけろって神様に言われた気がして」
「はは、もう大げさですね」
「重い荷物も気にならなかったもん」
「へぇ、それ何が入ってるんですか? 旅行帰りとか?」
「ん? うん、いろいろ」 重量を出すためのペットボト
ルだとはさすがに言えない。
「ねえミカちゃん、もう終電もなくなったし、どっか泊まっていかない?」
「え、まだありますよ」
「いや、ぼくがなくなったの。ウチ遠いからさ」
「えー、マジですか?」
ほら、泊まろうよ。何もしないからさ。
「ほんっとに何もしませんか?」
「うん、しないしない。ミカちゃんの顔ずっと見てたいだけだから」
「またまた〜。うーん、じゃあもうちょっと飲みますか」
バーを一軒はさんで、ラブホに入ったのが深夜3時。時間はかかったけど、やっぱりマー君は何かをつかんだね!