出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです

30代独身男のモテ奮闘記

電車の中で、脂ぎったデブでハゲのおっさんが結婚指輪をしているのを見るたび唖然としてしまう。なんでこんな男が結婚できて、オレにはできないんだ。待ち伏せまでして、やっと3分ほどの会話に成功した、コミュニケーション教室のあみちゃん。23と年齢は若いが、ノートのトップに記された名前だ。あれから毎週日曜日には教室で顔を合わせるが、二人きりになれるチャンスがない。いつも授業の後は生徒みんなでメシを食い、食い終わってからもみんなでゾロゾロ駅へ向かうので、気安く話しかけられないのだ。この教室のコースは全10
回で終了するため、残り5回しかチャンスはないことになる。毎週会えるのだからとのんびりしている場合じゃないことに気づいた。また、生徒の中には、オレと同じようにあみちゃんを狙っていると思しき男が1人いる。あいつに先を越されないようにも、急いで行動しなければ。先んずれば人を制す。あの待ち伏せで半歩はリードしたはずだから、ここはさらにもう半歩、先へ進みたい。9月の日曜日、いつものように全員で昼メシを食い、さあこれから駅へ向かおうとするタイミングで、うまく2人になる時間があった。今しかない。
「授業ももう少ししかないね」
「そうですね」
「メアドとか交換しとこっか」
これ以上ない自然な流れで目的を伝えたところ、あみちゃんは言う。
「あ、携帯忘れたので来週お願いしますどうなのだろう、この返しは。携帯を忘れるなんてことがあるものだろうか。第一、忘れたとしてもメモに書いてくれればいいだけのように思うのだが。

遠回しに断られたのか。デートもしないうちからフラれたのか。オレはそこまでモテないのか。
あれこれ考えてもしょうがない。言質は取ったのだから、来週にかっちり教えてもらうとしよう。 ノート2番目の女性は、ギター教室の瀬戸朝香風美女だ。すでに5回ほど通い、生徒は彼女とオレ、そして50前後のおっさんの3人しかいないことがわかっている。おっさんは論外だから、必然的に朝香ちゃん(便宜的にこう呼ぶ)とオレが付き合うことになるはずだが…。
授業は、先生を囲むように3人が座って、それぞれエレキギターの弦を一本ずつ鳴らす、といった内容だ。リズム感のないオレはいつも繰り返し指導され、朝香ちゃんとおっさんは先のステージへ進んでいる。このような状況で、どうすれば朝香ちゃんに気に入ってもらえるだろうか。上手いならまだしも下手クソの立場からどう接近すべきか。
そんな引け目のせいで、まだ一度もしゃべってはいない。向こうも眼中になさそうだ。
ある日、いいことに気づいた。この学校では授業の後に、希望者がスタジオを借りて自主練習できるようになっている。それに誘ってみるのはどうだろう。ちょっと教えてくれませんか、とかなんとか言って。すぐさま翌週のスタジオを予約しておき、いざ当日、いつもより早めに学校に到着して、朝香ちゃんの来校を待った。話しかけるなら授業前のこのタイミングがベストだ。オレの少し後に朝香ちゃんが、そのすぐ後におっさんがやってきて、ベンチに腰掛けた。おっさんが邪魔だが、ここは動くしかない。「どんな音楽が好きなの?」さらりと尋ねた。「エレカシですね」「へぇ、エレカシね」あいずちは打ってみたが、実はちゃんと聴いたことはない。「赤澤さん、でしたっけ。どんなの聴くんですか」オレもエレカシだよと合わせたいけど、それではボロが出る。正直に答えるしかないか。「んっと、キリンジみたいな日本のポップスかな」
「へえ、知りませんね」会話は途絶えた。しかし、朝香ちゃんは次におっさんに話しかける。
「どんなの聴きます?」
「ああ、ボクはツェッペリンだね」「へえ、ツェッペリン! どのアルバムが好きですか」
「そうだねえ、4枚目かなあ」
「へえ、なんか趣味が似てますね」 オレそっちのけで会話が盛り上がっ
ている。くそっ、何がツェッペリンだよ。
おっさんが席を離れた隙に、今日の本題を口にした。「今日、授業のあと、一緒に練習しない? スタジオ予約したから」
勇気を出した誘いは、即答で一蹴された。
「えー、ごめんなさい。家でやります」
スクール通いに光明が見いだせなくなってきたころ、友人から誘いがあった。女の子2人と川遊びに行かないかという。1人は30代、もう1人は20代前半で、若い方はそこそこ可愛いそうだ。
断る理由はない。当日は早朝からクルマを出して、3人を迎えにいった。
まずは友人を拾う。「今日は頑張ろうな。俺は若いほう行くから、赤澤は30代でいいだろ」
「え、ちょっと待って。俺も若い方がええけど。ところでその2人、どういう知り合いなん?」
「30代のほうは会ったことあるけど20代はそいつの友達で、かなりイケてるらしい」
そうか、そういうことか。こいつはオレにドライバー役と30代ブスを押しつけて、自分が若い子をかっさらうつもりだったのだ。そうはさせるか。まもなく30代が乗り込んできた。うん、やっぱこの人はパスだ。続いて本命の20代を拾う。彼女はまだ幼い顔をした美少女だった。胸はペッタンコだけれど、その他は車内での会話で、非の打ちどころがない。やる気が出てきた!神奈川の奥地の沢に到着し、まずはぴちゃぴちゃ水遊びからスタートだ。20代のミナちゃんは水着を持参していることが判明している。ここはひとつ大胆露出を期待したい。
しかしいつまで経っても着替える様子がない。オレは業を煮やした。 「ミナちゃん、水着にならへんの?」
「なりません」
「なんでなんで?」
「絶対ヤだ」
意味がわからない。何のために持ってきたんだ。オレたち2人のことが気に入らなかったのだろうか。水着を見せる価値ナシと判断されたのか。それならばこっちにも出方がある。幸い、彼女はペチャパイなので、浮きブラから胸チラを狙いやすい。たっぷり覗き込んでやる。
ミナちゃんがしゃがむたびに、胸元を凝視すること数十回、ついに小さな
乳首が! よし!
その心のガッツポーズが彼女には見えたようだ。
「さっきから胸元ばっかり見てますよね。キモくないですか?」
「え…」
「もう私、帰っていいですか」

必死でなだめすかして、とりあえず一緒に遊びつづけたが、ミナちゃんはオレとは口をきいてくれなかった。この夏は何一ついいこともなく終
わった。