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出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです

出会いを求めてこの時代にテレクラを使ってみた

駅裏の繁華街を歩くと、寂れたスナック風の平屋が見えてきた。ここが目的地だ。
 中に入り案内されたのはソファとテーブルだけの1畳ちょいの狭い個室だ。薄い壁はタバコのヤニで真っ茶色に変色している。
 電話を待っているうちに、前方の部屋から50才くらいのオッ
サンの声が聞こえてきた。
「うん、そうなんだ。今日はずっと家にいたの? あっ、お子さんの面倒見てたのね。うんうん。じゃあ今までテレクラで男の人と会ったことは何回かあるんだね」
 声の調子が自然で上手い。この人、経験豊富なのは間違いない。アポれそうな流れだ。
 ところがどっこい。
「え? ダメ? 会ってくれないの? そうか…」
 はい、残念でした。
 直後に、オレの部屋の電話が鳴った。タイミング的に、隣のおっさんを断った女だろう。
「もしもし」
「もしもし、さっき他の男性と話してました?」
「うん」
「家にいるんですか?」
「うん、ずっと家。いろいろ子どもの世話があったからさ」
 声だけ聞くに30代後半の人妻ってところか。
「まだ忙しいカンジですか?」
「ううん、一段落ついて落ち着いたから電話したんだ」
 さぁ、適当な世間話からなんとかアポれる流れに持っていきたいところだが。「そうなんですか。お姉さん若
いですよね? テレクラで若い人と話せるなんて思わなかったです」
「ほんと? 私なんて若くないって」
「そうですか? でも声はステキですけど」
 おっさんの二の舞にならないよう、思ってもいないことを次々と言い、なんとか会話をつないでいく。
 彼女の名前はミカさん。30才の人妻だそうだ。体型や容姿のことを聞いてガチャ切りされるのを避けるため、それ以外のことにはあえて触れないことにした。
「お兄さんさ、カンジいいよね」
「あっ、ありがとうございます。ちなみに、こうしてテレクラでお話した方とお会いすることは考えてらっしゃるんですかね」
「うん、お兄さんだったら会ってもいいよ。ワリキリだけどね」
 よし、会う事にしましょうか。「でしたら、これから会いましょうよ。でも、このへん詳しくないんで、どこか適当に待ち合わせ場所決めてもらえませんかね?」
「そしたらさ、そこからまっすぐ行ったとこのスーパーの一階のベンチにいてよ。歩いて20分くらいだけど、バス使ってもいいからね」
 バスに乗り、目的地のスーパーへ。自動ドアが開いてすぐのところにちゃんとベンチがあった。
 周囲をキョロキョロと見回していると、ネズミ色のニットを着た、南海キャンディースの山ちゃんみたいなメガネデブが手を振りながらやって来た。あいつか。
「あっ、いたいたー」
「ミカさんですか?」
「あははっ、そうじゃなきゃ誰なのよ!」
 ネイティブな茨城イントネーションでこちらに近づき、すぐさまオレの腕を取るミカさん。近くで見ると、本当に山ちゃんにそっくりだ。
「んじゃ、いこっかー」
 ニコニコしながら腕を取ってベタベタしてくるのは、恋人プレイってことですか?
「ホテルこっちね、バス使うから」
「遠いんですか?」
「すぐだよ、すぐ」
 グイグイと腕を引っ張り、前方にあるバス停まで一直線で歩いて行く。
「あぁ.ホントに来てくれたんだね.! よかった」
 気付いた。そうか、これは恋人プレイなんかではなく、オレのことを逃さないための戦略だったのだ。
「あの、電話で話せなかったんですけどいくらですかね」
「1万5千円でいい? ホテル代別で」
「わかりました」
「ありがとー、今日は子どもが風邪で休んじゃったから仕事できなくてさ」
「お仕事なにされてるんでしたっけ?」
「んーアパレル関係」
「あぁ、だからオシャレさんなんですね」
 まぁ見た目は普通の30代のオバサンで、別にオシャレなわけではまったくない。
「あーやっぱりわかる? そうなんだよね」
「販売の方ですか? それともバイヤーとか?」
「うーん、ちょっと違うかな。どっちかっていうと製作のほう」
「デザイナーさんってことですかね?」「違うちがう、作ったりするほうだよ、工場とかの」
 それをアパレルと呼んでもいいのかはなはなだ疑問だが黙っておこう。バスを降り、メイン通りから1本入った路地裏にラブホがあった。一緒に門をくぐる。
「ここね、ドリンク一杯好きなの頼めるの。何がいい?」
「じゃあ、コーラでお願いします」
 山ちゃんが眉毛をハの字にした。
「それさ、私に言ってどうすんのよ。そこのフロントの人に言いなって」
「すみません」
 もう逃げられない段階になるや、いきなりぞんざいな口調になるとは、この女、なめてかかれないぞ。部屋に入り、山ちゃんはタバコに火をつけた。
「おにいさん、なんか若いよね?いくつ?」
「27です」
「じゃあ結婚してんでしょ?」
「いえ、独身で彼女もいないです」
「なに、彼女いないの? じゃあ何してきたのよ、今まで」
「いや、恋人がいたことはありますよ」
「そういうことじゃないって。今なんでいないのってこと。それ、何か問題があるってこと?あ、ゴメン! 最近別れたばっかりとか?」
「いえ、3.4年いないですけど」
 山ちゃんはハァとため息混じりにタバコの火を消した。いま、明らかにバカにしたような表情したよ、この人。
「なんだろうね.? モテない理由。格好かな?」
 オレの方をジロジロと観察し、山ちゃんはワイシャツの袖をつかんできた。
「これね、まくったほうがいいよ」
「そうですか?」
「そうそう、全体的に重い雰囲気が漂ってんだよね、お兄さん」
「はぁ」
「あとね、そのデニムもちょっと重いよね、重い」
「どうすればいいですか? もっと薄い色とか?」
「まくったほうがいいんだよ、そのデニム」
 そう言ってズボンの裾を二回まくってくれた。丈が合ってないんだけど、これがオシャレなんですか、アパレル勤務のあなた的には。
「ありがとうございます。なんだかミカさんオシャレですもんね。ちなみにそのデニムはどこで買ったんですか?」
「これ? デニムじゃないよ。実はデニムに見せかけてチノパン。昨日買ったばっかりなんだよね」
「へぇ.どこで買ったんですか」「ユニクロ
「あ.ユニクロなんかもよく行くんですね」
「うーん、ユニクロとかはそんな行かないよ」
「じゃあ普段はどこで買い物するんですか?」
「ドンキかな.。あ、違うわ、最近はドンキより断然メガドンキだわ! わかる? 野球場の方にあるメガドンキ。あそこはなんでも揃うからね!」
 なぜオレはそんな人にオシャレ講義を受け、裾をアップされているのだろう。彼女の右腕に十字架のタトゥーが入っていた。元ヤンには見えないし、普通にオシャレで入れたものだろうか。
「そのタトゥー、カッコイイですね」
「なに? 興味あんの?」「そうですね、少し」
「タトゥーなんてやめといた方がいいよ」
 思いっきり上から目線でたしなめるような語り口だ。
「そうですか。オシャレでいいと思いますけど」
「あーそういうカンジなんだ」
 山ちゃんは、またバカにしたような表情でこちらを見てきた。褒めてるはずだが、なぜ?
「タトゥーに憧れてるんだ?」
「そうですね、カッコいいと思います」
 表情を見るに、何か不満があるらしい。
「私ね、いっちばんダサいと思うのがさ、タトゥー入れてとりあえず見せつけたいヤツらなんだよね」
「あぁ」
「オシャレとかさ、そういうのじゃなくて、見せたいだけ。そういうのが一番弱い人間だよ」
「なるほど」
「だからさ、そういう意識でならはっきり言ってダサいからね」
「わかりました」
 左腕で自分のタトゥーをなでながらニヤニヤとデメリットを説く山ちゃん。そういう態度こそ見せつけてませんかね。
「あとさ、実生活で困ることけっこうあるよ.?」
「あ.お風呂とかですかね?」
「そうそう。止められるからね実際」
「じゃあやっぱり結構困るもんですか?」
「それがね、私レベルになるともう顔パスなんだよね、近くに健康ランドがあるんだけどさ」
 私レベルというのは何を意味しているのだろう。言葉の選択を誤っていないか?「じゃあ私、おフロ先に入るね」
 オレを残し、山ちゃんはシャワールームへと消えていった。
 風呂から出ると、先にシャワーを浴びたはずの山ちゃんがベッドにいない。代わりにトイレから「うーん」とうなる声が聞こえてくる。セックスの直前にクソか。
 自由な人だな。
 山ちゃんがスッキリした表情でトイレから出てきたのはおよそ15分後だ。
「あ.、やっと出たよ.」
 当然、もう一回シャワーに向かうのかと思えば、まったくそんな素振りはなく、まっすぐベッドに上ってきた。
 ガウンの下から現れたのは、乳首が床に垂直に突き刺さりそうなほど垂れ下がった胸と、ボウボウに生い茂ったマン毛だった。
「じゃあフェラするね」
 山ちゃんは手コキとフェラチオを開始した。そのままシックスナインの体勢になろうとまでしてきたが、それはケツを叩いて断った。ウンコくさいアナルなんてごめん被ります。
 やや勃起してきたので、正常位のポジションになり、マン毛の茂みをかき分けて挿入を試みる。が、数回のピストン運動で早くもチンコは萎んでしまった。ダメだ、こんなユルマンではどうにもならん。
 山ちゃんが背中をポンと叩く。「あれ? なんか勃起してなくない?」
「あぁ、なんだかムリっぽいですね」
「あなたさ、若いんだからもっとしっかりしないとダメだよ.」
「……はい」
「やっと気持ち良くなりかけたのに.」「すみません、もう終わりでいいです」
 中途半端にセックスを終えると、ソファに腰掛けた山ちゃんはタバコに火をつけた。
「てかさ、そんなにワリキリするほどエッチしてないわけ?」「そうですね、してないですね」
「なに? そしたらいっつも家でオナニー?」
 あ、またこっちをバカにしたような表情になったぞ。
「もうさ、東京に住んでる意味ホンットないよね、東京なんてセックスする相手いっぱいいるのに」
「いや、それがそうでも…」
「でもチンチン立たないんじゃ意味ないよね。あんた、いいモノ持ってるんだからもったいないよ。わかった?」
「何がですか」
「だーかーらー、ワリキリなんかしてないで彼女作りなさいって!」