出会い口説きALLOK

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女心を鷲掴みにするモテる口説き術を実証してみた

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女は自分を全肯定してくれる男になびくという性質を持っているそうだ。
 キミは間違ってないよ、キミの言ってることよくわかるよ、
そうそう、その通りだと思うよ。
 てなことを呪文のように繰り返していれば、「この人、私のことわかってくれてる!」となって恋愛感情に発展すると、まあそういうわけだ。
 しかし、せっかくだけどこの戦法、女が悩み相談でもしてこない限り、使うチャンスはない。
 そこでオレ、マー君は考えた。普段使いのセリフで、女を全肯定するようなフレーズはないものかと。
 答えは出た。
『キミみたいな人間になりたいな』
 どうか。キミみたいになりたい、すなわちそれ、相手の全てを肯定していることにならないだろうか。
 なりますね。男でもいいのでちょっと想像してみてください。こんなこと言われたら悪い気はしませんよね。反応いいんじゃね?好感度アップじゃね?
 大勢の女性と、ある程度がっつり会話できる場となると数は限られてくる。というか、ほとんどない。思いつくのは長時間制の婚活パーティぐらいか。
 というわけでやってきました新宿西口です。婚活バスツアー
の集合場所です。
 本日のツアーは、河口湖周辺の観光地をいくつか回り、オリエンテーションなどで異性と仲良くなって、夕方、都内に戻ってきたところでカップル発表という流れだ。
 スタッフから名札を受け取り、さっそくバスへ乗り込んだ。参加者は男12人、女12人で、2人席の窓側に女、通路側に男が座るようになっている。オレの最初のペアは、川上麻衣子の若いときのようなエロ顔ちゃんだ。
 バスが出発し、男たちが順番に回って5分ずつしゃべる「回転寿司タイム」が始まった。エロ顔ちゃん、よろしくです。「どうも。仙頭正教です」
「吉沢アカネです」
「こういうツアーは初めて?」
「私、3回目なんです」
「よく行ってるんですね」
「普段の出会いないし、積極的に動くしかないかなと思って」
 よし、ここで魔法のことばの登場だ。
「積極的かぁ。いいなぁ。ぼくもキミみたいな人間になりたいな」
 さらっと使っちゃいました。
「いや、私はただ焦ってるだけなんで」
「そうかもしれないけど、えらいよ。ぼくもキミみたいになりたいもん」
「じゃあお互いに積極的に頑張りましょう」
 反応いいんじゃね? 好感度アップじゃね? この調子で次次行きまっせー

なかなかお目にかかれないレベルだ

 お次は、地味.な顔の三十路ちゃんだ。魔法フレーズのチャンスは一度だけあった。
「私、電車遅延とかあったらいけないんで、今朝は1時間前に来ましたよ」
「すばらしいね。ぼくも、キミみたいな人間になりたいと思うよ」
 次も地味顔のOLさん。今度もチャンスは一回だけだった。
「吉祥寺とかよく行きますよ」
「へえ、吉祥寺に行くなんていいですね。キミみたいな人になりたいなぁ」
 4人目、5人目と、しばらく全然タイプじゃない子が続いたが、それでもすべての子に例のセリフを吐いておいた。
 そしてようやく、最初から目を付けていた本日一番の美人さんの席までやってきた。
「どうも、仙頭です」
「よろしくお願いします」
 ちょいポッチャリだが、安田美沙子似のルックスは、お見合いパーティではなかなかお目にかかれないレベルだ。名前は岡本さん、30才。仕事は事務らしい。
 軽く自己紹介しあった後、彼女のスカーフを褒めてみる。
「それおしゃれですね」
「これですか? まあ、せっかくやってきてるんだし、ちょっとは自分を飾ったほうがいいかなぁと思って」
「いいですね。ぼくもキミみたいな人になりたいと思うよ。ちゃんと服装を意識する人に」
 彼女はニコニコ笑ってる。効果が楽しみ!
狙いは、最初にしゃべったアカネちゃんと、一番美人の岡本さんだけど、2人だけをマークするのはリスクが大きい。他にも積極的にぶつかっておこう。
 バスが目的地の湖畔に到着し、グループに分かれて小物作りをすることになった。幸い、オレはアカネちゃんと同じ班だ。作業テーブルに座るや、アカネちゃんがちょっかいを出してきた。
「上手ですね」
「いやいや、適当だよ」
「私のどうですか?」
「いいね。ぼく、そうい作れるアカネさんみたいな人間になりたいな」
「ありがとうー」
 いい笑顔だ。魔法フレ使えるな。
 小物作りのあとは、グ単位で散歩することになた。そばにいたブサイクな子べりかける。
「婚活ツアーとかよく来るんです?」
「初めてなんですけど」
「ぼくもそうなんですよ。早く結婚しろってうるさ「はははっ。うちもですも歳とってるし、気持ちも考えないと」
「親思いなんですね。ぼくもキミみたいな人間になりたいな」
「ええ、なんですかーそれー」
 とびきりの笑顔で笑ってる!
(ブスだけど)。なんだか今日は気分がいいなぁ。
 昼メシ会場のレストランでは、また別の子と隣の席になった。
「どう? いい感じの男性はいましたか?」
「んー、どうでしょうね。そちらはどうですか?」
「どうでしょうねぇ。あっ、そうやって綺麗にパスタを食べるような人に、ぼく、なりたいと思ってるんですよ」
「え?」
「そう、今のそのフォークの感じとか」
「はぁ」
 もう、どんなタイミングでも使ってやる。メシが終われば、あっちの子にも話しかけよっと。
 昼メシ後、気になる異性の番号をカードに書いて提出する
「中間インプレッション」が行われた。
 渡された結果カードを見ると、なんとオレ、女12中9人からも○をつけてもらっているじゃないか! モテモテじゃん。しかもアカネちゃんも岡本さんも入ってるし!
「仙頭さん、そればっかり」
 ツアー中、こまめに全員に話しかけ、すべての子に「キミみたいになりたい」フレーズを繰り返し投げかけた。キョトンとする子、喜ぶ子、いろいろいたけれど、共通しているのは全員笑顔だったことだ。
 あとは最後に誰かとカップルになるだけだ。やはり狙いは岡本さんか。
 夕方。大きな土産物屋で最後のフリータイムになった。他の男に先をこされては一大事。バスを降りる岡本さんを追いかけ、声をかける。
「一緒に見て回りましょうよ」
 そのまま店内へ。何を見るわけでもなくフラフラと歩く。
 彼女が土産物のブレスレットを手に取った。
「おっ、かわいいですね」
「これ、私に似合うと思います?」
 こちらの目をまっすぐ見てニコっと笑う岡本さん。
「似合いますよ。ぼくもこういうセンスのある物を選ぶ人間になりたいな」
「仙頭さん、そればっかり」
「いや、ホントに岡本さんみたいな人になりたいって思うんですよ」
「私みたいなって、どんな?」
「うーん、たとえばお洒落のセンスだったり…」
「たり?」
「明るいとこだったり」
「ふーん、私そんなに明るいですか?」
「明るいですよ。うん」
 このような会話をかわすうちに、フリータイムは終わった。
 夜7時半。バスは新宿に戻ってきた。参加者24人が息をのむなか、スタッフが発表する。
「では、カップルになられた男女の番号を読み上げます」
 カップル成立は2組だけだった。その中に、オレの番号は…
もちろん入ってましたよ! お相手は一番美人の岡本さん!
 先にバスを降りて、岡本さんを待った。
「おっ、きたきた」
「ふふっ。何かはずかしいね」
 一番カワイコちゃんをゲットできるなんてたまらんねぇ。さあ、飲みにでも行きましょうか。
 と誘ったが、彼女がさすがに疲れたというので、来週の日曜にデートをすることになった。
「じゃあ、来週よろしくね」
「うん。わかった」
 彼女が駅の改札へと向かっていく。ふぅ.疲れた。オレも帰ろっと。翌週の日曜、夕方。
 待ち合わせ場所の新宿駅前で、岡本さんが待っていた。ツアーのときとは雰囲気が違い、ハデな柄の野球帽なんぞをかぶってる。オレの提案で、お台場へ行くことにした。今からなら到着するころには夕暮れ時のいいシチュエーションだろう。「ちなみに岡本さんの理想のデートってどんなの?」
「うーん、まあ、お互いが楽しめることじゃないですか。場所とかは関係なく」
「その考え方いいね。ぼくも、岡本さんみたいな人になりたいな」
 カップルになってもまだダメ押ししておくなんて、オレも手堅い男だな。
 電車を乗り継ぎ、お台場に到着した。海の方にレインボーブリッジが見える。
「ステキだね」
「そうですね」
「カップルだらけだね。ま、ぼ
くらもカップルだけど」
「ですね」
 散歩したあとは、ショッピングモールのレストランフロアでメシを食うことになった。
「はい乾杯」
「かんぱーい」
 よし、アルコールも入った。ここから一気に夜に向かって突き進むぞ。
 夜8時半。レストラン街を出て、とりあえず駅に向かって歩いていく。
「じゃあ、もうちょっとどっかでゆっくりしようか」
「私、明日早いからそろそろ」
「いやいや、でもまだ8時半じゃない」
 そう言って手を握ろうとした瞬間、彼女がこちらを睨みつけてきた。本気で怒ってることがわかる鬼の形相だ。
 呆然としていると、彼女が切り出した。
「言ってることとやってることが違い過ぎませんか」
「え……」
「わかってないようですね。まずそれ」
 彼女がオレの服を指さした。
「先週、アナタは言いましたよね。お洒落に気を遣える人になりたいって。なのになんでこの前と同じ服着てるんですか?」
 いきなり何を言い出すんだ。確かに同じ服だけど…。アナタって二人称も怖いぞ。
「それだけじゃないです。この前、改札に入ってから振り返ったら、アナタはもういなかったですよね。すごく寂しかったです」
「それは…」
「私みたいになりたいって言ってくれるのはうれしいですけど、もし好きだったらずっと見送ってくれるんじゃないですか」
「………」
 お説教はまだ続いた。どうして目を見て話さないのか、どうして歩くペースを合わせてくれないのか、などなど。
 さんざん罵りまくった彼女は、一人で地下鉄に乗って帰ってしまった。
 ごめんなさい、岡本さん。この場を借りて全面的に訂正します。
オレ、キミみたいな人間にはなりたくないわ。