出会い口説きALLOK

デキル男のためのライフスタイルマガジンです

ハロウィンでセクハラが許されるコスプレ

ここ数年、若い連中の間で、『ハロウィン』がやたら盛り上がってきている。毎年10月31日開催の仮装祭りだ。
イギリスのお祭りになぜ日本のニーちゃんネーちゃんが乗っかっているのか知らないが、ここ数年、当日の夜は、渋谷や六本木にコスプレをした若い連中が大挙している。それこそサッカーW杯の日本戦みたい
な感じで。肌を露出した女、酔っ払った女、ハイテンションの女。そんなのを目前にして指をくわえていたんじゃ裏モノ精神が廃る。でもいったいどうすればオイシイ思いができるのやら…。
今秋、ついにひらめいた。みのもんたコスプレだ。
ご存じのとおり、情報番組『朝ズバ!』で女子アナの尻を触った触らないのスキャンダルを起こしたみのもんたには、「セクハラ」イメージがついてる。そんなみのさんのコスプレをすればどうなるか?
女にセクハラをしても、それはおふざけってことでオーケーにならないか。ああ、みのさんならセクハラしてもしょうがないね、と。10月31日金曜、ハロウィン当日。
白髪カツラをかぶり、顔をドーランで黒く塗り、朝ズバジャケットをはおる。どう見てもみのもんただが、念のため「みのもんた」というタスキもかけ、渋谷に向かった。
 
夜7時。渋谷駅前は、予想どおりの状況である。お化け、魔女、マンガやゲームのキャラ、AKB風、よくわからん着ぐるみ││。スクランブル交差点が仮装の連中で埋まっている。
サッカーW杯とかは男子大学生集団みたいなのが大暴れしていてウザいが、そういう連中はいない。どちらかというと女のコが多く、みなさん基本、町をぶらぶら歩いて楽しんでいる。
交差点を渡っていると、のしゃべり声が耳に留まっ「みのもんた!」
「ほんとだ。みのさんだ」
「レアだよねー」
みのさんコス、ウケてる。そこに、雪だるま着ぐる付いてきた。
「ハッピーハロウィーン!」
フナッシーのようにぴょんぴょん飛び跳ねている。ちょっとからかってやるか。
 
みのもんたの口調でしゃべりかける。
「いたよいたよヘンなのがぁ〜。あら、お嬢ちゃんだよ。こりゃまた大きなおっぱいしてるじゃないの?」
からかい半分、雪だるまの胸を掴んでみたが、着ぐるの厚みがあってイイ感触まで届かない。
みのもんたにオッパイ触られた。みのもんたにオッパイ触られた」
雪だるまがはしゃぎだした。やっぱり許されるんだ!
そのとき、近くにいた「日本テレビ」という腕章をつけた連中のしゃべり声が聞こえた。
「おもしろいけど、他局だしなぁ」
まずいまずい、セクハラシーンを撮影されちゃうぞ。興味津々な表情で見つめてくれている女コスプレグループがいた。声をかけてみよう。
「お嬢ちゃんたち、あ〜あ〜、そんなにコスプレしちゃってぇ。かわいいねぇ〜」
「でも、みのさんのその顔もスゴイですね」
「じゃあ何、ぼくと一緒に写真を撮りたいって?
オーケー撮りましょう」
「何それ〜。でも撮りたい撮りたーい」
6人がカメラを通行人に頼み、オレを挟んで立った。隣のコのお尻を触れそうだけど…。
躊躇ってるうちに撮影が終了し、彼女らは去って行った。チャンスだったのになぁ。
コンビニで缶ビールを買ってグビっと煽った。みのもんたと言えば大の酒好きで有名だし、アルコールを入れたくらいがちょうどいいだろう。
おっ、向こうに良さそうなのがいるじゃん。背中のがっつり開いた格好のサンタちゃんが歩いている。
「お嬢ちゃん、こんなに肩出しちゃって、寒くない?」
肩をペタペタと撫でる。相手がさっと振り返った。
「えっ?何?」
みのもんただよ」
顔をマジマジ見つめている彼女。納得できたかな?
…って、表情が固いぞ。何かやばそうな感じだ。
一旦、みのさん口調は止める。「すみません。冗談です。みのもんたコスなんで、お触りは冗談というか」
「……」
「去年、みのもんたがアナウンサーのお尻触ったとかいう話あったでしょ?」
「…朝ズバの?」「そうそう。セクハラスキャンダルに引っ掛けた冗談で…」
「そういう意味かぁ〜」
わかってくれたか。じゃあ朝ズバポーズ(人差し指を突き出す)で記念写真だ。サンタちゃんと別れた後、一緒に撮った写真を眺めているときに、ふとひらめい 
この『朝ズバポーズ』の人差し指で、女の胸や尻をツンツンするのはどうだろう。
普通に触るよりも格段に冗談さが増す。笑ってくれるはずだ。
タイミングよく、巨乳ちゃんを見つけいつもの調子で寄っていく。
「こりゃまた、かわいいコだねぇ、お嬢ちゃん。昔の彼女にそっくりだよぉ〜」
みのもんたですか?」
「そうだよ。最近はあんまりテレビに出てないけどね」
「はははっ。たしかに」 
ツカミはオッケーだ。
では作戦開始。
「朝ズバ、覚えてる?」
腕を前にぐっと伸ばし、胸に向かって『朝ズバポーズ』をキメる。
「朝ズバ!」
人差し指と巨乳の距離、わずか5センチ。
「ほら、お嬢ちゃん、もう少し前に出て」
「えっ!何なに?」
みのもんたの朝ズバって言ったら?」
「……セクハラ。はいはい、そういうこと
か。わーびっくり!」
笑いながら半歩近づいてくれた。指に巨
乳の感触が!
ならばもう一回。「朝ズバ!」と指を伸ばしたところ、彼女はさっとかわして表情が曇った。
「いやいや。もうダメですよ」
『朝ズバポーズ』は使い勝手がよく、二人目三人目と続け、4人目は囚人コスの子だ。
こちらの狙い通り、お触りを許してくれた彼女は、自分の手首に付けているおもちゃの手錠を見せてきた。
「もう一回やったら、逮捕するからね」
「ごめんごめん。でも面白い物を持っじゃないの?どうしたのそれ?」
「家にあって」
家に手錠?
何の用途で?
 
もしかして「まさか、あー、エッチなことに使ってる?」
ふふっ。みのもんたなんだからセクハラも許されるはずだ。
「手錠してイジめられるのが好きなクチ?」
「ないない」
「いや、あるね。家に手錠なんて言ったら、それ以外に用はないじゃないの、正直に言
てごらんなさいよ」
「……」
「言えないってことは図星なんだ。くぅ〜。かわいい顔して毎晩濡らしてるんだねぇ」
すごい剣幕になって帰って行っちゃった。
うーむ。
夜10時、渋谷駅前はいよいよ混雑してきた。人の数も、露出度の高い仮装の女も増えている。そして酔っ払っている人間もそこかしこに。
オレも景気づけにと一本缶ビールを飲んだ後、コスプレの美女グループを見つけた。
みんなで並んで記念撮影中だが、薄手タイトスカートが堪らなくソソル。
 
彼女らの後ろにすーっと近寄っていく。一人がこちらに振り返った。
「…はい?」
「お嬢ちゃんたち、みんなでこれから飲みに行くの?ぼくはもうベロベロだよ」
「あ、みのさん!」
「いいお尻じゃないの。触っていいかな」
「えー」
「お嬢ちゃん、僕はみのだよ。セクハラのみのだよ」
「ウケるーー。」
はい お尻を突き出してうわぁ!
パンツの感触がない、スカートの下はすぐお尻の手触りだ。
「ありがとね、お嬢ちゃん。じゃあね」
 
一気にテンションがあがった。さて次はどの子に?
ん? 
あれは?
ハチ公口前でフリーハグをやっている男女がいる。「Freehug」という看板を持ち、道ゆく人に抱き合いましょうと求めたり、抱き付いていったりする路上パフォーマンスだ。
なるほど、あれでいいや。もう小細工なんていらない。そのまま抱き付いていこう。
幼稚園児コスちゃんが目にとまった。行きましょう。
手をひろげて駆け寄っていく。
「朝ズバー!」
あらっ、逃げられた。恥ずかしかったのかな。
次は向こうのウサギの耳ちゃんだ。
「朝ズバー!」
「えっ、みのさん?」
なんですか?」
「朝ズバー!」
抱き付いた。ん?
苦笑いされてるけど…。
「うわーセクハラだー」
よしよし、わかってるじゃないの。このままずっとこうして抱き合おうよ。
「もうダメですよー」
「え、だって俺、みのだよ?」
「だってみのさんだって番組降板させられたじゃないですか。セクハラが許されないからですよ」
うーん、言われてみればそのとおりだな。

今時テレクラに出会いはあるのか

渋谷はどこか浮ついている。大きめの買い物袋を提げた家族連れや、ハイネケンの瓶ビールを持った外国人が、やたらと高いテンションで駅前をウロウロしている。
その雑踏の中を、オレは一人、まっすぐテレクラへと向かう。
「おっ客さま.!ロングコースのご利用あっりがとうございま.す!」
店員は気持ち悪いほど高いテンションで迎え入れてくれた。DVDコーナーには、物好きな男性客が2人。この人たちは大晦日にこんな場所でどういうつもりなのだろう。
入室後すぐ、威勢よくコールが鳴り響いた。
「もしもし」
「どうも.」
わりと若めな女性の声だ。後ろはやや騒がしく「次は恵比寿、恵比寿.」というアナウンスが聞こえる。電車の中か?
「もしかして電車の中ですか」
「うん。今から渋谷で会える人探してるんだけど」
「ぼくも探してたんですよ」
「暇なの?じゃあ会おうよ」
話が早い。
「どういう感じで会いたいんですか?お茶とかワリキリとか……」
「ううん、暇なだけ。会ってから決めようよ」
いまどき、単純な暇つぶしでテレクラ男に会う女なんているものだろうか。不審だ。
「あ、渋谷着いたわ。そしたらとりあえず会おうか」
急いで服装を教えあい、駅近くの銀行前で待ち合わせすることになった。
彼女が伝えてきた服装は黒のコートにグレーのストール。年齢は25才だ。
急いでテレクラを出ると、銀行前には、女性が一人立っていた。そのまま東急百貨店へと流れて行きそうな、ずいぶんお洒落な服装だ。首に巻いたグレーのストールも様になってるし。テレクラでこんなことがあっていいのか?
「あの、電話くれた方でいいんですよね」
「うん、そうだよ。ちょっと寒いから喫茶店でも入らない?」
すぐ近くの喫茶店は、買い物帰りのカップル客が8割を占めていた。堂々とそこに混じり、2人で黒糖ラテを注文する。こ
こまでほとんど自己紹介なしだ。
「あの、ヘンな質問ですけど、なんでかけてきたんですか?」
「うん、暇だったの。それだけ」
今夜、友人とカウントダウンパーティをするまでの間、暇つぶしのためにテレクラにかけてきたという。
まったくもって謎だ。パーティに参加するようなキャラの女性が、暇だからといってテレクラを利用するとは考えられない。となると、見栄を張った作り話か。
「ちなみに、彼氏さんは?」
「うーん、なんか彼氏っていうのは重くてさ、こういうほうが好きなんだよね」
「テレクラとかですか」
「うん」
もしかして、いま流行りの肉食系女子ってやつか?
「じゃあセックスはけっこうしてるんですね」
「するよ」
「それは……ワリキリとか?」
「やんない、そういうのはやんない。別にお金とか欲しいわけじゃないしね」
どういうことだ。お洒落な25才が、金ももらわずにテレクラでセックスするなんて。
「じゃあ、ホテルとか、そういうとこ行きましょうか」
「うーん……」
沈黙だ。どうした? 
何を考えてるんだ?
「なんかそういう気分になれないわ。西島秀俊さんなら会った瞬間自分からレイプするくらいヤりたいんだけどさ」
「それは、僕だとヤリたくないってことですか」
「…………」
再度、沈黙が続く。
ようやく理解できた。この人は、テレクラ界ではもう20年も前に絶滅したといわれる、タイプの男とならタダでセックスする女性なのだ。
こうして出会えたことはラッキーだが、好かれなかった以上、前には進めない。神様、せっかくのプレゼントを無にしてしまってすみません。

午後7時、さらに増える人混みを避けるようにトボトボとテレクラに戻り、再度電話を待つ。
次のコールの第一声はこれだった。
「ムラムラした気分になってない?」
受話器から聞こえてきたのは30代後半と思われる、気持ち悪いほどに甘い女の声だった。
「それはワリキリとかですかね」
「そ.なのう!エッチしたくてしょうがなくって。お兄さん最近イチャイチャしてる?」
「いやあ、もうずっとしてないですね」
「なによちょっと.!ダメダメダメ!」
「ダメですか?」
「うん、今ね錦糸町にいるんだけどね」
錦糸町は千葉方面にある猥雑な繁華街だ。渋谷からはちょうど逆側になる。
「最近エッチからはなれてるんだったら、こっちまで来てエッチしてもいいんじゃない?」
「わかりました、向かいますよ」「それでね、お金なんだけど.、ちょっとね、1万5千円ほどもらえれば助かるかなって。いっサービスするから、ね?」丈夫ですよ、ちなみにお姉今おいくつなんですか?」 
年はね…
34才よ
一瞬の間が空いた
「容姿は誰かに似てるって言われたりしますかね?」
「うーんと、田中美佐子って言われるかな」
田中美佐子似が売春なんてするもんだろうか?
午後8時の電車は、8割ほどが空席だった。こんなときにせこせこ移動するバカは少ないようだ。
錦糸町駅をおり、改札前で電話をかける。耳元でゴールデンボンバーの『女々しくて』の待ち歌が聞こえてきた。
「もしもし」と、やや早口で彼女が出る。
「着きました。どちらに向かえばいいですかね」
「南口!ちょっと、ちゃんといるから!きてきて!」
電話は一方的に切られてしまった。南口に向かえばいいのか?
人がまばらな南口から電話をかけようとしたところで、ちょうど彼女からの着信が。
「いま出てきた人でしょ!こっち!」
ロングのダウンジャケットを着た小さな女性がケータイを耳にあてながら手を振っていた。
「こんばんは」
「ああ、行きましょ、行きましょ!」
あいさつもそこそこに、彼女はスタスタと歩き出した。眉毛はほとんど消えており、唇はカサカサ、顔は全体的にぼっこぼこに殴られたフランケンに似ている。田中美佐子の面影はゼロだ。
歩道橋にさしかかったところでフランケンさんの歩き方が少しぎこちなくなった。足をひきずっているようだ。
左足のサンダルの紐がほどけている。しかも、靴下を履いておらず素足だ。
「足、どうしたんですか」「うん、外反母趾なの。気にしないで」
フランケンさんは、こちらに目を合わせようとせず早口で続ける。
「今夜はなにするの?」
「できれば、誰かと一緒に過ごしたいですね」
「ああ、そう。私はこの後はね、
千葉の方に行くのよ」
「ご自宅ですか?」
「会社の寮に住んでるのよ。家賃が5万円。高いのよね。その寮のコと、今夜は蕎麦食べるかしら」
ホテルの部屋のドアがしまった瞬間、フランケンさんが言う。
「先にお金、もらっていいかしら。もらった分、ちゃんとサービスするからね」
「ああ、お願いします」
「そういえばタバコ吸うのかしらお兄さん」「いえ、吸いたいなら吸って全然大丈夫ですよ」
「ううん、私は吸わないから吸わないから」
シャワーからあがり、ベッド
に横になりながらテレビをつける。
「そういえば待ち歌『女々しくて』にしてましたよね」
「あ、ゴールデンボンバー!」
フランケンさんのチンコを握る手が一瞬止まる。
「別に見ながらフェラしていいですよ」
「ほんと?じゃあそうするね」
彼女にチンコをしゃぶられながら、樽美酒による大車輪のパフォーマンスを見る。こんな紅白鑑賞も、ぜいたくといえばぜいたくかもしれない。 適度に勃起したところで、彼女がチンコにまたがってきた。
え?
ナマでするつもりなのか?
「あの、ゴムつけますんで」
「え、ナマにしないの?ナマしたことないの?」
無視して黙ってコンドームをつけ、乾燥しきったマンコにチンコを押し込む。当然のように気持ちよくもなんともない。
チンコが一向に立たないことがわかると、フランケンさんは俺をさっさと風呂へ促した。もうサービス終了ってことらしい。ほどなくして風呂の中にタバコの匂いが入ってきた。ドアを開けると彼女がタバコを吸っている。
「タバコ吸うんですね」
「ちがうの!3時と12時だけ!休憩のときだけ!」
あの、別に何も怒ってないんですけど。それに今、3時でも12時でもないんですけど。
すでに時刻は11時、渋谷へ戻るために乗り込んだ電車には、気持ちよくもなんともない。2組の中国人観光客とオレ以外
に乗客はいなかった。
テレクラに戻ると、すぐにコールが。
「池袋まで来れます?」
おそらくこれが最後のアポとなるだろう。
「大丈夫です、すぐいけますよ」
ホテル代別イチゴーで、34才、黒髪ロング清楚系を自称するその女性とアポることになった。
池袋の西口駅前は、4.5人の若者が缶チューハイ片手に数組ダベっているくらいで、静けさが漂っていた。
指定されたマックの前には、雪女のような幽霊が立っていた。汚いモコモコしたピンクの毛布地のコート、長い前髪とマスクのせいで素顔はちゃんと拝めない。なんだかこの人からは、強烈な死の匂いが漂う。
「あのあのあの、お金先にいただけますか」
「それは払いますけど、ホテルに入ってからにしましょうよ」
雪女は無言でホテル方面へと歩き出す。
ふと手元の時計を見ると時刻は0時2分。
適当にあいづちをうちながらラブホテルへ近づいてきたそのとき、雪女が言った。
「あの、もういいです」
「え?」
「帰っていいですか。ちょっとしたくなくなったの」
「お金、ちゃんと先払いしますけど」
「いや、いいんで」
雪女はこちらに背中を向けてすーっと去っていった。なんだか不気味なものを見てしまったようだ。

出会いアプリを利用したぼったくりバーに注意

「おごりん」というスマホアプリにハマっている。おごりたい男と、おごられたい女をつなげることがコンセプトの出会いツールだ。ありがたいのは、デートが前提なのでアポまでのハードルが低いことだ。「いっぱい飲み食いさせてあげるよ!」てな感じで女どもにアプローチすれば、ちょくちょくデートまでこぎつけてしまう(エッチまでは厳しいけど)。
ある日、いつものようにおごりんで女のコにメールを送っていたところ、21才のコから返事がきた。
〈ミユです。よろしくお願いします。いま赤羽なんですが、電車代もないほどピンチで…。こっちまで来てもらうことで
きませんか?〉
赤羽の金欠ちゃんですか。プロフ写メもなかなか可愛いじゃん。
「大丈夫ですよ。赤羽なら行けるんで奢りまっせ。好きに食べて飲んでもらっていいですよ」
「よろしくお願いします!」
アポ完了。やっぱおごりんは使えるねえ。
赤羽駅前に着くと、すでに彼女が来ていた。
「ミユちゃんですか?」
「あっ、はい、どうも」
写メのまんまのかわいこちゃんだ。おっぱいもありそうだし。
ひとまず駅前の安居酒屋に入った。
「ミユちゃん、飲み物どうする?」
「うーん」
彼女はメニューをパラパラとめくり、申し訳なさそうに言う。
「私、甘いカクテルしか飲めないんで。ウーロン茶でいいですか?」
「ウーロン茶かあ…」
「せっかく奢ってもらえるんだし、ほんとはお酒飲みたいんだけど」
「そうだよ、飲みなよ」
「じゃあ、この近くに私がたまに行くバーがあるんですけど、そこに好きなカクテルがあって。この後行ってもいいですか?」
そういうことならここでダラダラしててもしょうがない。さっさとバーに行きましょう。とめくり、申し訳なさそうに言う。
「私、甘いカクテルしか飲めないんで。ウーロン茶でいいですか?」
「ウーロン茶かあ…」
「せっかく奢ってもらえるんだし、ほんとはお酒飲みたいんだけど」
「そうだよ、飲みなよ」
「じゃあ、この近くに私がたまに行くバーがあるんですけど、そこに好きなカクテルがあって。この後行ってもいいですか?」 
そういうことならここでダラダラしててもしょうがない。さっさとバーに行きましょう。居酒屋を出て、ミユの案内
どりついたのは、風俗店も入っている怪しげなバービルだった。想像していた雰囲気とはまったく違うが…。
「最初はお父さんに連れて来てもらったんだけど、その後ちょくちょく一人で来てて」
 彼女が行き付けというバーは、50才くらいのオバちゃんママの店だった。
「あら、ミユちゃん、いらっしゃい」
他に客はおらず、何だか殺風景な感じだ。どういう気分で若い子がこんな店に通うんだろうかね。
カウンターに座ると、焼酎の水割りセットが運ばれてきた。
「大竹さんは水割りでいいですか?」
「そうね。でも一応メニューを」
「あ、ママの店はキホンは会員制のバーなんで、ちゃんとしたメニューとかなくて。でも大丈夫な金額だよ」
「はぁ…」
何かよくわからないが、大丈夫な金額と言うならまあいいか。
とりあえずこちらは水割りを、ミユはいつも飲んでるというカクテルを頼む。さてミユちゃん、好きと言ったんだからガンガン飲んで下さいよ。
まもなくカクテルが運ばれてきた。 
おっ、おお! 
彼女、グラスをくいくい煽って、1分ほどで一杯目を飲み干したじゃないか。こりゃたまげた。 
さらに自分から2杯目を注文し、それもあっという間に飲み干してしまう。スゲー飲みっぷりだ。まさか早く酔っぱらいたいのか。
「ミユちゃん、いい飲みっぷりだねえ」
「えへへ。奢ってくれるって言うんでテンション上がっちゃって」 
おねだりするような瞳でこちらを見てくる。
「今日はいっぱい飲んでいいんですよね?」
「まあそうだけど…」さすがにちょっと金が心配だな。でも、おごりんで出会った以上、奢れないとも言えないし。
「ねえねえ大竹さんももっと飲んでくださいよ。今日はガンガン飲むぞー!」 
冗談ではなく、ミユは本当にカクテルをガンガン飲みまくった。もういいや。こうなりゃとことん飲ませてやろう。
かくして2時間経過。ミユは12杯のカクテルグラスを空にした。
「じゃあボチボチ出ようよ」
「出るの?」 
まだ飲もうってか?
さすがに飲み過ぎだろ。会計にしようよ。
ママに声をかけて、お会計をしてもらったところ、手渡された紙には8万とあった。
「8万?」
「はい、そうです」
「ちょっと計算おかしくないですか?」
「おかしくないですよ。うちは1杯5千円なんで、プラスサービス料で8万です」
はあ?
そんなバカな金額があるか。ミユの顔をぱっと見ると、先ほどまでとは打って変わって冷ややかな目をしている。
「私は大丈夫な金額としか言ってないですよ」
「こんな金額、大丈夫なわけないだろ!」
「いや大丈夫でしょ。だってオニーさん、ガンガン飲ませてくれるって言ったじゃん。おごりんってそういうもんでしょ?」
ミユとママがこちらをジロリと見てきた。くそっ、こいつらグルか。ちくしょー!

出会いアプリを利用したぼったくりバーに注意

「おごりん」というスマホアプリにハマっている。おごりたい男と、おごられたい女をつなげることがコンセプトの出会いツールだ。ありがたいのは、デートが前提なのでアポまでのハードルが低いことだ。「いっぱい飲み食いさせてあげるよ!」てな感じで女どもにアプローチすれば、ちょくちょくデートまでこぎつけてしまう(エッチまでは厳しいけど)。
ある日、いつものようにおごりんで女のコにメールを送っていたところ、21才のコから返事がきた。
〈ミユです。よろしくお願いします。いま赤羽なんですが、電車代もないほどピンチで…。こっちまで来てもらうことで
きませんか?〉
赤羽の金欠ちゃんですか。プロフ写メもなかなか可愛いじゃん。
「大丈夫ですよ。赤羽なら行けるんで奢りまっせ。好きに食べて飲んでもらっていいですよ」
「よろしくお願いします!」
アポ完了。やっぱおごりんは使えるねえ。
赤羽駅前に着くと、すでに彼女が来ていた。
「ミユちゃんですか?」
「あっ、はい、どうも」
写メのまんまのかわいこちゃんだ。おっぱいもありそうだし。
ひとまず駅前の安居酒屋に入った。
「ミユちゃん、飲み物どうする?」
「うーん」
彼女はメニューをパラパラとめくり、申し訳なさそうに言う。
「私、甘いカクテルしか飲めないんで。ウーロン茶でいいですか?」
「ウーロン茶かあ…」
「せっかく奢ってもらえるんだし、ほんとはお酒飲みたいんだけど」
「そうだよ、飲みなよ」
「じゃあ、この近くに私がたまに行くバーがあるんですけど、そこに好きなカクテルがあって。この後行ってもいいですか?」
そういうことならここでダラダラしててもしょうがない。さっさとバーに行きましょう。とめくり、申し訳なさそうに言う。
「私、甘いカクテルしか飲めないんで。ウーロン茶でいいですか?」
「ウーロン茶かあ…」
「せっかく奢ってもらえるんだし、ほんとはお酒飲みたいんだけど」
「そうだよ、飲みなよ」
「じゃあ、この近くに私がたまに行くバーがあるんですけど、そこに好きなカクテルがあって。この後行ってもいいですか?」 
そういうことならここでダラダラしててもしょうがない。さっさとバーに行きましょう。居酒屋を出て、ミユの案内
どりついたのは、風俗店も入っている怪しげなバービルだった。想像していた雰囲気とはまったく違うが…。
「最初はお父さんに連れて来てもらったんだけど、その後ちょくちょく一人で来てて」
 彼女が行き付けというバーは、50才くらいのオバちゃんママの店だった。
「あら、ミユちゃん、いらっしゃい」
他に客はおらず、何だか殺風景な感じだ。どういう気分で若い子がこんな店に通うんだろうかね。
カウンターに座ると、焼酎の水割りセットが運ばれてきた。
「大竹さんは水割りでいいですか?」
「そうね。でも一応メニューを」
「あ、ママの店はキホンは会員制のバーなんで、ちゃんとしたメニューとかなくて。でも大丈夫な金額だよ」
「はぁ…」
何かよくわからないが、大丈夫な金額と言うならまあいいか。
とりあえずこちらは水割りを、ミユはいつも飲んでるというカクテルを頼む。さてミユちゃん、好きと言ったんだからガンガン飲んで下さいよ。
まもなくカクテルが運ばれてきた。 
おっ、おお! 
彼女、グラスをくいくい煽って、1分ほどで一杯目を飲み干したじゃないか。こりゃたまげた。 
さらに自分から2杯目を注文し、それもあっという間に飲み干してしまう。スゲー飲みっぷりだ。まさか早く酔っぱらいたいのか。
「ミユちゃん、いい飲みっぷりだねえ」
「えへへ。奢ってくれるって言うんでテンション上がっちゃって」 
おねだりするような瞳でこちらを見てくる。
「今日はいっぱい飲んでいいんですよね?」
「まあそうだけど…」さすがにちょっと金が心配だな。でも、おごりんで出会った以上、奢れないとも言えないし。
「ねえねえ大竹さんももっと飲んでくださいよ。今日はガンガン飲むぞー!」 
冗談ではなく、ミユは本当にカクテルをガンガン飲みまくった。もういいや。こうなりゃとことん飲ませてやろう。
かくして2時間経過。ミユは12杯のカクテルグラスを空にした。
「じゃあボチボチ出ようよ」
「出るの?」 
まだ飲もうってか?
さすがに飲み過ぎだろ。会計にしようよ。
ママに声をかけて、お会計をしてもらったところ、手渡された紙には8万とあった。
「8万?」
「はい、そうです」
「ちょっと計算おかしくないですか?」
「おかしくないですよ。うちは1杯5千円なんで、プラスサービス料で8万です」
はあ?
そんなバカな金額があるか。ミユの顔をぱっと見ると、先ほどまでとは打って変わって冷ややかな目をしている。
「私は大丈夫な金額としか言ってないですよ」
「こんな金額、大丈夫なわけないだろ!」
「いや大丈夫でしょ。だってオニーさん、ガンガン飲ませてくれるって言ったじゃん。おごりんってそういうもんでしょ?」
ミユとママがこちらをジロリと見てきた。くそっ、こいつらグルか。ちくしょー!

1人合コンはおいしい出会いがある

f:id:torivian:20170501132006j:plain

ネットで、金曜日夜8時からの新宿開催に申し込むと、業者から店の地図と参加人数のメールが届いた。男性9人に女性8人。いいバランスだ。
当日10分前に会場の居酒屋についた。細長いテーブル席がひとつあり、参加者17人が男女関係なく自由に座る形式らしい。まだ誰も来てないので、とりあえず端から2番目の席に着く。
開始時刻が近づくにつれ、続々と参加者がやってきて、俺の周囲もじょじょに埋まっていった。両隣は、藤木直人風の若者と40代半ばのハゲのおっさん。そして我ら3人の向かいに座る女性陣は、堂真理子アナ似(20代)、ガリガリさん(20代)、一青窈似(30代)の3人。
自然とこの6人のメンバーで、テーブル隅っこ部門の合コンがスタートした。どことなく軽いノリの藤木が、会話をリードしていく。
「みんな今回はどういうきっかけで参加したの.?」俺もそれはちょっと知りたかった。男はともかく、女はどうしてディフェンダーのいないこんな危険な合コンなんぞにやってきたのか。
 最初に口を開いた堂真理子ちゃんは、休日は家にいるばかりだったので飲み相手が欲しく、今回1人で参加したとのこと。続く2人も、まあ同じような理由だった。この東京には友達のいない女性がわりといるようだ。
たいして盛り上がらない6人での会話はすぐにほころび、それぞれ1対1でのトークへと移行した。
元々、全員、知り合いが誰もいないのだからこうなるのは必然だ。口説く側としてはありがたい。
 俺の狙いはやはり堂真理子ちゃんだ(便宜上、以降は真理子ちゃんと呼ぶ)。
「真理子ちゃん、モテるでしょ。男女問わず」
「えー全然!なんでそう思ったんですか?」
「そんなのスタイルいいし声かわいいからに決まってんじゃん」
 そこに、ハゲオヤジと話が噛み合わないのか、ガリガリさんが割り込んできた。
「うん、絶対モテそう!」
あんたはいらないの!
普通の合コンならば調和を合わせて3人の会話にせざるをえないが、ここは無視して真理子ちゃんに集中する。
「真理子ちゃんって絶対2人で飲みに行ったら楽しいタイプだよね」
「そうそう!
私会社帰りとか飲みたいんけど全然飲めてないんですよ!
 職場の飲み会、年に2回しかないし」
 よしよし、真理子ちゃんもガリガリさんを無視してるぞ。一人参加はやっぱりいいなぁ。
 会の終盤では我ら6人だけでなく、他のメンバーたちもみんな1対1の会話に移行していた。合コンにありがちな1対2、2対2のような組み合わせはどこにもない。
 そろそろテレクラで鍛えたトークを武器に、本格的な口説きに入ろう。
 真理子ちゃんがトイレに立ったのをすかさず追いかける。
「おっ、飲んでる.?」
「うん、飲んでる飲んでる.!」
「だよね.ビールぐびぐびいってるもんね.!」
 肩をポンと叩いたついでに一歩近づく。口からかすかにアルコールの香りが漂う。
「今日は真理子ちゃんと出会えて良かったよ」
「どういうことですか?」
「かわいいからに決まってんじゃん」
「またまた.」
そのとき目の前を、あのハゲオッサンが通った。一瞬、こちらをチラ見して、無言で通り過ぎていく。
 これまた一人合コンならではのシーンだ。普通だったら、「お前ら
なにしてんだよ.」的なジャマが入る場面なのに。ありがたや。
「このあと2人で飲み直そうよ。もっと話したいからさ」
「じゃあその時の流れで.!」
 うん、好反応だ。
 会はいよいよ終了時刻となり、ドリンクのラストオーダーが終わったあたりでメンバーがポツポツと帰り出した。終わりの挨拶も一本締めもなく、いつ抜け出してもOKなわけだ。そしたら真理子ちゃん、オレらも2人で飲み直しますかね。
「そろそろ出よっか」
「うん。あっ、コート取ってください」
 その様子を見ていたガリガリさんは、挨拶もせずに消えていった。しつこいようだが、これも1人合コンならではだ。
 普通の合コンでは、たいていブスリーダーが、
「ちょっと.。このコは今日は私と帰るんだからね.」
 とか言って引っ張っていくものだけど、ガリガリさん、あなた他人だもんね、止めるわけがないよね。真理子ちゃんと手を握り、洋風居酒屋に入った。席は隣り合わせだ。
「いやーホントに今日参加してよかったよ」
「うん、楽しかった.」
 テーブルの下で、すっと太ももを密着させる。…足が逃げない。ならばそのまま腰に手を回して…。
「…」
 彼女が黙った。展開が早い。うん、いけるシグナルだ。身体を引き寄せてグラスを持ったままキスをする。あら、これも拒否らないし。
 しばらくイチャイチャし、店員さんに写真なんぞを撮ってもらいながら、恋人気分で30分。ではペッティングも済んだことだしそろそろ行こうか。
「じゃあ出ようか」
「え、もう出るの?」
 出ますとも。そして入れますとも。たまにはテレクラ嬢じゃない子とエッチしたいんだもん。
 手をつなぎ、駅とは逆の方向のホテル街へ歩き出すと、真理子ちゃんが立ち止まった。
「えっどこ行くの?」
「うーん、ホテルとか」
「えーやだやだ!帰るし」
「いや、大丈夫大丈夫」
「違う違う、明日早いんだって!」
「大丈夫だよ」 
その場で5分ほど大丈夫攻撃を繰り出してみたが、彼女の強い意志は崩れなかった。
 今回の一人合コン、結果だけ見れば失敗だけれど、システムは非常にオイシイと言えると思う。コミュニケーション能力に自信のある人はぜひ参加を。

どんなところに出会いがあるかわからない話

つまらない傷害事件を起こし、留置所にブチ込まれた。
じきに40の声を聞こうかというのに、職も無ければ女にも恵まれない不甲斐なさ。挙げ句にケンカ沙汰でパクられたってんだから、我ながら情けないにもほどがある。いったい何をやっているんだ、俺は。
そんなどん底の精神状態にあって、唯一救いだったのは同房の人間に恵まれたことだ。
特に前科4犯、キャリア20年のベテラン中年ドロボーは、はじめての留置所でおどおどする俺になにかと気を遣ってくれるばかりでなく、こんなアドバイスさえしてくれた。「ここをパイ(釈放)になったってどうせ無職なんだろ?だったら空き巣でもやってみたらどうだい」
「え、そんなことできるわけないじゃないっすか」
「オマエみたいな素人でもすぐ使えるテクニックを教えてやるよ。それで食っていけばいいじゃねえか」
ひと昔前、住宅の玄関ドアに広く用いられていた錠前にピンタンブラー錠というのがある。ドアノブの真ん中に鍵穴があるような、古くさいアレだ。
本来、この錠を不正に開けるには専用のピッキング道具と、それを扱う技術と知識が必要だが、10年以上使用されたタンブラー錠に限っては、内部が劣化しているため、特殊工具がなくても簡単に開錠できると彼は言う。
「必要な道具は精密なマ●ナ●●ラ●バー1本だけ。そいつを鍵穴に差し込んで●●●でいいんだ。いまだにタンブラー錠を使っている古い民家やアパートは腐るほどあるからためしてみな。オモシロイほどあっさり侵入できるぜ」
そんなシンプルな方法で鍵が開くのかはなはだ疑問ではあったが、ベテランの泥棒が言うのだからきっと本当なのだろう。ふうん、こりゃイイことを教わったぞ。
後日、起訴猶予で留置場をでた俺は、さっそくカバンに●ラ●バーを忍ばせ、あちこちの住宅街を徘徊することに。
泥棒のオッサンが説明したとおり、築15年ほどの古い住宅をつぶさにチェックして回ったところ、ソートーな確率でピンタンブラー錠が使用されていた。が、他人の家に無断侵入するというのは想像以上に勇気がいる。いざターゲットを決めても体がすくんでしまい、結局、すごすご逃げ帰るパターンを繰りかえすだけだった。
せっかくの情報をもらいながら新たな職は見つからなかったが、常にマ●ナ●●ラ●バーを持ち歩くことで、俺はまったく予期せぬ幸運を手に入れることになる。例によって空き巣が未遂に終わり、家に帰るべく電車に揺られていたその日、ちょっとしたハプニングがあった。女性客のスカートがドアに挟まったまま、電車が動き出してしまったのだ。
次の駅でこっち側のドアが開けば一件落着だが、それまで十数分もこのままってのは可哀想だ。
…あ、そうだ。俺、いいもん持ってるじゃん。「ちょっと待ってて」
バンから取り出したマ●ナ●●ラ●バーをドアとドアの間に差し込み、テコの要領でグイッと押し開くと、その拍子にスカートはスッと抜けた。
「あ、どうもありがとうございます!」
「いや、そんなそんな…」
もしカバンに入っていたのがごちゃごちゃしたピッキングツールならば、こうは上手くいかなかったろう。単純な形状のマ●ナ●●ラ●バーだったからこそテコの原理が使えたのだ。後の流れは略すが、それから間もなく、俺はめでたく彼女と付き合うことになったのだった。もちろん、この一件のおかげで。
いったいこんな展開、誰が想像できるだろう。8年ぶりに女と交際することになったキッカケが、空き巣用に持ち歩いていた道具だなんて。
いまごろは懲役に行ってるであろう泥棒のおっさん、あんたには感謝してもしきれないくらいだ。

ロンブーの淳のナンパ術は成功するのか実践してみた

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ロンブーの淳が結婚した。お相手の香那さんはキレイで性格も穏やかで、まったくうらやましい限りだ。
 さて、その結婚発表のバラエティ番組で、気になることが一つあった。淳がいったんは別れた彼女に復縁をせまるとき、こんな作戦を使ったというのだ。
淳「毎日、彼女の名前を習字で書いて、それを束にして彼女に渡したんだけど(要約)」
怖い、重い、キモい。オレのような凡庸な男はそう思ってしまうが、現に淳はこの手法で香那さんをヨメにしている。ひょっとしてコレ、かなり使える手法なのでは?
 番組で見た淳の字は、かなり上手かった。やはり下手クソでは女心も奪えないものと思われる。
 なのでオレも習字教室に1日だけ通ってみた。ひたすら練習すること3時間。要するに、ゆっくり&ていねいを意識すれば、それなりにキレイに書けることがわかった。では、出発!
 出発先は、お見合いパーティだ。オレには復縁したい相手などいないのだから、こういう場に来るしかない。
 会場をざっと見渡したところ、女性6番が気になった。女のコらしいブラウスのカワイ子ちゃんだ。回転寿司タイムで名前を確認する。
「3番の仙頭です」
「あ、どうも」
 プロフィールカードには
「有希、有希」とある。年齢は29才だ。
「有希さんは何の仕事をしてるんですか?」
「販売員です」
「ファッション系?」
「デパートです」
 1分ほどで会話は終了し、次の相手へ…向かわず、席を立って会場の外へ。
 カバンの中から習字道具を取り出し、廊下に半紙とスズリを並べる。有希ちゃん、今から君の名前を書くからね。
 有希、有希、有希。淳がやってたみたいに平仮名バージョンも織り交ぜておこう。ゆき、有希、ゆき。
10枚の作品が完成した。さあパーティに戻ろう。会場では後半のフリータイムが始まるところだった。有希の席は…まだ空いている。
「座っていいですか?」
「あ、はい」
「もう誰が誰だかわからなくなるでしょ?」
「そうですね」
「だからぼく、自分のことをしっかり伝えたいと思って、渡したいものがあるんだけど」
 カバンから書いたばかりの習字の束を取り出した。
「なにそれ?」
「ぼくは習字をやってるんで。今さっきぱっと会場の外に出て、有希さんの名前を書いて来たんです。これあげる」
 彼女はちょっと躊躇いながらも受け取った。
「ビックリさせました?」
「ううん。私、こういうの好きなんで。ありがとうございます」
 引かれるかもと思ったが、素直に喜んでいる。さすが淳、あいつは女をトロかす天才だ。
「書いたばかりだからまだ湿ってるでしょ?」
「でも私、墨の匂い好きだから」
「急いで書いたから文字が崩れてるのもあるんだけど」
「ぜんぜんですよ。ありがとうございます」
 効いた。感触でわかる。これは効いたぞ。パーティを抜け出して習字を書くヤツなんてそうそういないからな。
 結果、見事に有希とオレはカップルになった。
 ただしこの日は、彼女が友達と一緒なので、連絡先を交換して別れることに。夜、彼女からこんなメールが届いた。
『今日はありがとうございました。習字もすっごい嬉しかったです!! これから仲良くしていけたらいいですね。今週ゴハンとか行きませんか?』
 淳! あんたやっぱりスゴイ男だよ! 向こうから誘ってきちゃったよ!
午後6時。待ち合わせ場所の新宿駅前に、有希がやってきた。
 胸回りが大きく開いたブラウスを着ている。おめかしして来てくれたようだ。
 飲み屋へ入って、カウンター席に並んで座った。
「有希ちゃん、何飲む?」
「じゃあマリブコーク。わたし甘いのしか飲めないんで」
 かわいいこと言いますな。でもマリブってアルコールけっこう強いんだよ。
 会話はお互いの自己紹介のおさらいから始まり、仕事や恋バナへ。話ははずみ、彼女の酒のピッチもいい。
「仙頭さんは、私のことを有希ちゃんって呼ぶじゃないですか。私は何て呼べばいい?」
「あ、マー君でいいけど」
「じゃあマー君って呼ぶね」
 いい感じだぞ!
「うれしいなぁ。習字を渡してよかったよ」
「うん、うれしかった」
 1時間ちょいで飲み屋を出た。有希がやけにくっついて歩いてくる。こんな素早い展開、初めてかもしれない。
 幸い、2人は同じ沿線に住んでいる。部屋飲みに誘ってみるか。
「地元で飲もうよ。そのほうが帰りやすいでしょ?」
「うんそうだね」
 電車に乗り込んだ。あっ、並んで2つ席が空いてるじゃん。ねえねえ座ろうよ。
 と声をかけたが、彼女は首を横に振った。
「いや、ちょっと今、座ったらやばいんで」
「どういうこと?」
「…生理だから。今座ったらグチャグチャになるんで」
 さらに彼女はジーパンの尻を向けてきた。
「血付いてない?」
「…うん」
 なんだか品のない子だな。あるいはもう酔っ払ってるのか?
 オレの地元駅で一緒に降り、改札を出たところで手を強く握った。
「どこ行くの?」
ぼくんちは? どんな部屋に住んでるか見てもらいたいし」
「ヘンなことしない?」
「大丈夫だって」
 彼女はすんなり家までついてくる。よしよし。生理ならセックスはしんどいかもだけど、フェラぐらいはしてくれるでしょう。
 しかし、部屋に入って抱きつくと、彼女が体を強ばらせた。キスさえはねのけられた。どうして有希ちゃん?
「ヘンなことしないって言ったでしょ!」
「だけど…」
「最近してないからたまってるんでしょ? 私もセックスはまあ好きなほうだけど、でも今日はそんな気分じゃないから!」開けっぴろげだけど、はっきり断ってきてる。こりゃダメだ。そのまま何事もなく部屋飲み
だけで解散した翌日、習字で書いた有希の名前を写メって、メールしてみた。
『こんばんわ。また書いてみたよ!』
『前もらったやつのが上手かな(笑)。でもありがと。おやすみ!』
 淳は「毎日、習字で彼女の名前を書いた」と言ってた。オレは毎日メールしてやろう。
『今日のはどうだろう?(笑)』
『すごーい上手。マー君えらい!』
 ひらがなも送ってやるか。
『今日はひらがなDAYですよ!』
『手抜きかしら?(笑)』
 そんなこんなで毎日送り続けること5日、彼女からデートの誘いが来た。
『今日もご苦労様。ありがと!ねえねえ。今週末どっか行かない?』
 淳先生、おそれいります。正直、亮クンのほうが好きだったけど、今日からは淳派になります。
そして日曜。本日は、横浜「みなとみらい」へレンタカーデートという気合いの入れたプランを立てている。
「おっ、有希ちゃーん!」
「お待たせ」
 前回とおなじヒラヒラワンピースを着ている。かわいいねえ。有希ちゃん、今日こそはそれ脱いでもらうからね。
 車はみなとみらいに到着した。休日のせいもあり、どこもかしこもカップルだらけだ。さあ。うちらもしっぽりやりましょうか。
 スタバでコーヒーを飲んだ後、観覧車に誘ってみた。
マー君、ヘンなことするんでしょ? やだー」
 顔は笑っている。本心はヘンなことしてもらいたがってるね。
 観覧車の中で肩を抱いてみた。彼女もオレの手をギュっと握ってくる。
 ボックスが12時の位置に来たところでキスをした。わっ、舌をからめてきたよ、この子。
「もー、マー君ヘンなことしないって言ったじゃん」
 よー言うわ。
 観覧車の後は、展望のいいレストランでメシを食って、そろそろ帰ることになった。ここから一気に夜に向かって突き進むぞ。夜9時すぎ、レンタカーで自宅の前まで戻ってきた。
「うち寄っていってよ」
「どうせヘンなことするんでしょ?」
 それまだ言うか。照れ隠しなのわかってるって。
「ここ何日か、有希ちゃんの名前を習字でいっぱい書いたから、だいぶ上手になったんだ。実際に書いてるところを見てほしくて」
「それならいいよ」
 女ってのはなにかと理由付けがいるんですね。
 部屋に入り、さっそく習字道具を用意する。
「見ててね。有希ちゃんのこと思って書くからね」
「…うん」
 ゆっくりと丁寧に筆を進めていく。すらすらすら。
マー君、ほんとに上手じゃん」
「パーティのときからもう100回は書いてるし」
 有希をジーと見つめる。あれ、目がちょっとキラキラしてる。もしかして涙? 
マー君、ありがとっ」
 はぁ.、名前を書くってこんなに効果があるものなんだ。ちょっとした大発見だぞ、こりゃ。
 習字道具を横に寄せて、彼女に抱きついた。レロレロとキスをかまして股間に手をやる。ぐっしょり濡れてる。生理からもう一週間経ってるし、これは血じゃないな。